2019年3月22日(金)

国際商品、安値で年越しへ 原油は一時年初比3割安

2018/12/27 12:00
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国際商品が安値圏のまま年を越す見通しとなった。原油は26日に反発したものの、年初来の下落率は一時3割に達した。銅やアルミニウムも安い。総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数は24日に1年半ぶりの低水準となった。市場はエネルギーや産業用金属の需要鈍化に身構えている。

原油は米中摩擦で需要が減るとの観測が漂う(サウジアラビアのタンカー)=ロイター

原油は米中摩擦で需要が減るとの観測が漂う(サウジアラビアのタンカー)=ロイター

CRB指数は26日時点で173前後と1年前より1割低い。5月につけた206台に比べ2割下がった。最近の急落を主導しているのは原油だ。

「株価急落で投資家のリスク許容度が低下し、原油から資金を引き揚げている」と石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之首席エコノミストは指摘する。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は、米ダウ工業株30種平均が大幅続落した24日、1バレル42ドル台と前週末比7%下落。1年半ぶり安値をつけた。

10月初めにつけた約4年ぶり高値の76ドル台に比べると下落率は4割を超える。トランプ米政権の経済制裁によってイランの輸出が急減する懸念で急騰した分、下げ幅も大きい。米国がイラン産の禁輸の適用除外を認めたことで過剰感が意識されるようになった。過去最高を更新する米シェールオイルの増産も相場の重荷だ。

米中貿易戦争による中国経済の減速も商品相場を押し下げる。中国が消費量の半分を占める銅は、国際指標のロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物が1トン6000ドルを割り込んだ。年初に比べて2割安く、3カ月ぶりの安値圏にある。

非鉄金属ではアルミが2017年7月以来の安値をつけ、ニッケルも年初来安値圏にある。「米中貿易摩擦で減退の兆しが見える中国経済は今後も不透明だ。世界景気の先行き不安が非鉄相場に織り込まれつつある」(住友商事グローバルリサーチの本間隆行経済部長)

原油などはリスク資産の面も持つため、世界的なインフレ観測の後退も売り圧力となりやすい。穀物では米中摩擦や米国の豊作を受け、大豆のシカゴ先物が年初より安い水準で推移している。これらと対照的に上昇基調を強めているのが「安全資産」とされる金だ。

金の指標となるニューヨーク先物は1トロイオンス1270ドル前後と半年ぶりの高値圏にある。方向感の乏しい値動きが続いていたが、株価急落や地政学リスクへの警戒で資金が流入し、他の商品と強弱を分けている。

金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は「米国の財政赤字拡大で悪性の金利上昇が懸念されている。代替投資先となる金は大幅に上昇する」とみている。

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