2019年1月20日(日)

未来面「つくりかえよう。」

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 日本経済新聞社は、読者や企業・団体の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」をスタートしました。今期のテーマは「つくりかえよう。」 革新的なアイデアをお寄せください。企業のトップが選んだ優れたアイデアは新聞紙面や日経電子版で紹介します。アイデアの投稿はこちらから。
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ワクワクドキドキ 帰りたくなる家とは?
芳井敬一・大和ハウス工業社長 経営者編第8回(1月7日)

未来面
2019/1/7 2:00
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「芳井さんにとって家とは何ですか?」この質問は建設現場で近隣の方から私が実際に受けた質問です。とっさに「自分がほっとできる場所です」と答えたのを覚えています。家に帰って自分をリセットし、翌日また頑張れるようにする空間が私は家の価値だと思っています。

では、どんな家ならほっとできると思いますか。もちろん家族の存在も重要ですが、家の機能でいえば、私の場合、音楽や舞台が好きなので、音楽を聴ける場があることがほっとできる条件となります。今も昔のレコードを取り出してよく聴きますが、当時の歌に耳を傾けると、その時代に戻れるから不思議です。

世の中には家に帰りたくないという人もいるようです。それは恐らく家の中に自分の居場所がないからだと思います。昔は家が狭く、子供たちがなかなか帰ろうとしなかったので、大和ハウス工業創業者の石橋信夫は庭に勉強部屋をつくることを提案しました。子供たちは自分の基地ができたことを喜び、それから早く家に帰るようになりました。

そう考えると、これからの家づくりで大切なことは「ほっとできる空間」「自分をリセットできる空間」をどう提供できるかだと思います。

人工知能(AI)やセンサー技術の進化により、最近のスマートホームでは顔認証などで扉が自動的に開いたり、部屋の温度を調整したりできるようになりました。自分が普段行っている家の操作をコンピューターが代わってくれるわけです。ただやり過ぎると不快に感じます。

私はこうした技術を「先回り」と呼んでいますが、本当にほっとできる場所は、適度に選択の余地を残しつつ、自分が望むことを自然に提供してくれる家だと思います。例えば壁にかけた絵画や天井の照明などが四季や時間帯に合わせてさりげなく変わってくれたら、とても気持ちがいいと思いませんか。これは日本人が持つ「おもてなし」の精神にも通じるところだと思います。

それから最近のファミリー世帯から感じるのは、自分が住みやすいように家に手をかけて育てていこうという発想です。欧米では昔からある考え方ですが、日本でも最近は「自分に合った家に住みたい」「趣味の部屋を持ちたい」といった需要が高まっているからでしょう。

当社は音が周囲に漏れない「奏でる家」という防音室を提供しています。従来の防音室より安価なこともあり、とても人気です。楽器を演奏したり、音楽を聴いたりするのに適しているからだと思います。

さて今度は私から皆さんに質問させてください。皆さんにとって「ワクワクドキドキする帰りたくなる家」とはいったいどんな家でしょうか。私たちの家づくりに生かしたいと思いますので、アイデアやご意見をぜひお寄せください。たくさんのご投稿をお待ちしています。

芳井敬一・大和ハウス工業社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから

動物の世界では出産や子育てのための準備として「巣作り」があります。人間の世界でも結婚や出産、子供の入学といったタイミングで「家」を取得するのが一般的です。安心して子供を産んだり育てたりするには、動物にとっても人間にとっても家の存在はとても重要だといえるでしょう。

しかし「人生100年時代」を迎え、家が果たす役割も変わりつつあります。子育てを終えた後は、自分の人生を楽しむ場としての家が求められています。動物にも人間にも「帰巣本能」がありますが、より帰りたくなる家にするには、自分のライフステージに合わせ、家の間取りや内装なども変えていくことが重要になりました。

大和ハウス工業は「okaeri(おかえり)」という顧客向けの冊子を発行していますが、いつでも「おかえり」と自分を迎え入れてくれる家づくりがまさに求められています。「ワクワクドキドキする家」をつくることが日本経済の一番の活性化策といえるかもしれません。(編集委員 関口和一)

◇   ◇

未来面は、日本経済新聞社が読者や企業・団体トップの皆さんと課題を議論し、ともに作っていく紙面です。今回の課題は「ワクワクドキドキ 帰りたくなる家とは?」です。皆さんからの投稿を募集します。1月17日(木)正午が締め切りです。優れたアイデアを経営者が選んで、1月28日(月)付の本紙未来面や日経電子版の未来面サイトで紹介します。

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