2019年6月17日(月)

原子力79施設、廃止に1.9兆円 原子力機構が試算

2018/12/26 19:53
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日本原子力研究開発機構は26日、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)など79の原子力施設について、今後約70年かけて廃止する費用が合計で約1兆9千億円に上るとの試算をまとめた。ただ、試算は維持管理費などを含まず、実際の費用は作業の長期化などにより大きく膨らむ恐れがある。巨額の費用や大量の放射性廃棄物の処分場の確保など課題は山積みだ。

原子力機構が運営する89の施設のうち、79施設を対象に廃止措置の工程表をまとめた。民間の電力会社とは異なり、機構は廃止措置の費用をほとんど積み立てていない。大半は国費でまかなわれ、原子力推進の後始末は新たな国民負担として跳ね返ることになる。

最も費用と時間がかかるのは、原子力発電所の使用済み燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理技術の開発を担った東海再処理施設(茨城県)。解体や廃棄物の処理処分の費用は約7700億円に上る。ただ強い放射線を出す廃液をガラスで固める作業などに前もって必要な約2200億円は盛り込んでいない。

もんじゅについても、維持管理費を含めれば廃炉には30年で3750億円以上かかると試算されていたが、工程表には維持管理費を除いた1500億円を計上した。

このほか、新型転換炉「ふげん」(福井県)の750億円、燃料の製造に使った「プルトニウム燃料第三開発室」(茨城県)の880億円、高温ガス炉の研究炉「HTTR」(同)の590億円、高速増殖炉実験炉「常陽」(同)の430億円などが続く。HTTRや常陽など研究で当面利用する施設については、稼働から60年を目安に廃止することを想定した。

放射性廃棄物は200リットルのドラム缶に換算して計約70万本が発生すると見積もった。ただ、廃棄物の処分場はまだ整備されていない。

機構は2029年度以降に原子力施設の廃止措置を本格化する方針だが、廃棄物の処分先が決まらないままでは30年代前半にも現在の保管施設の容量を超える恐れがある。

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