2019年9月16日(月)

三菱UFJ社長に三毛氏 海外・デジタル戦略課題に

2018/12/26 23:36
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三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は26日、傘下にある三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取(62)が2019年4月1日付で社長に昇格すると発表した。社長交代は6年ぶり。本命視されていた人事だが、システム統合や海外展開で積んだ経験は、企画畑が多い銀行のトップ像とは異なる。デジタルへの対応と国際展開。メガバンクの課題が人事から浮かぶ。

三菱UFJFGの社長に昇格する三毛氏(左)と、会長に就く平野氏(26日午後、日銀本店)

三菱UFJFGの平野信行社長(67)は代表権のない会長に、園潔会長(65)は三菱UFJ銀の会長に就く。三毛氏は当面、FGと銀行のトップを兼務する。

「困難な修羅場を明るく乗り切ってきたリーダー」。26日開いた会見で、平野氏は三毛氏をこう評した。旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステム統合で現場責任者を務め、タイのアユタヤ銀行買収後は統合作業に携わった。「多種多様な人材と仕事をしてきた」(三毛氏)。突然の頭取就任を含め大切な局面を任されてきた。頭取就任後、三毛氏はのべ5千人の社員と対話を重ねるなど現場を重視する。

こうした経験が、今は「本命」の資格になった。三菱UFJFGの営業純益に占める海外の割合は4割弱に達する。8月から7回の審議を重ねた指名・ガバナンス委員会の議論でも、「今後の改革を加速できる」(平野氏)と判断された。

三菱UFJFGの18年3月期の連結純利益は9896億円。三菱UFJ銀単体の占める割合は44%にすぎず、69%だった5年前と比べ大きく下がった。海外の現地法人に業務を移すなど、グループの範囲は大きく広がっている。銀行の頭取と、それを監督する立場の持ち株会社社長の兼務は「望ましいとは言えない」(平野氏)が、三毛氏の頭取在任期間が短いため、兼務を決めた。

平野社長は就任してから6年、三菱UFJFGがアジアで基盤を持ちつつ世界的な競争力を持つための施策を進めた。出資先の米モルガン・スタンレーに投資銀行業務を任せ、国境を越えたM&A(合併・買収)助言案件を積み上げた。国内では三菱UFJ銀と三菱UFJ信託銀行との法人融資を統合。銀行の行名から「東京」をなくすなど、グループ内の抵抗が強い改革も断行した。

三菱UFJFG会長は取締役会議長として監督責任を持つ。投資家や海外当局とも対話するが、執行面では「社長の部下。誤解を招かないよう代表権を外した」(平野氏)。

メガバンクでは三井住友フィナンシャルグループでも、太田純副社長(60)が来年4月に新社長となる。太田氏も海外やIT(情報技術)に詳しい。シンガポールに駐在し、アジア全域の事業融資を指揮した経験も持つ。同社の国部毅社長(64)は「環境変化のリスクにさらされた時、必要なのはグローバル感覚」と強調した。

三菱UFJFG、三井住友FGの人事から浮かぶのは、デジタル技術や国際化がもたらす変革に迅速な対応を迫られているということだ。世界経済の先行きには影が差し、キャッシュレス決済の普及は銀行に店舗網など既存のインフラの見直しを迫る。「完璧を求めすぎる文化を変える」(三菱UFJ銀の三毛頭取)

三毛氏も太田氏も、周辺の印象は「明るい人」。伝統的な企画畑ではなく、現場に詳しい明るい人がメガバンクのトップに就くことが、逆にこれからの銀行経営に厳しい判断が訪れることを予感させる。

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