2019年3月25日(月)

南北、鉄道連結で着工式 融和姿勢で米とは温度差

北朝鮮
朝鮮半島
2018/12/26 18:30
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【ソウル=恩地洋介】韓国と北朝鮮は26日、南北間の鉄道・道路の連結に向けた着工式を開いた。対北朝鮮制裁が緩和されない限り工事には入れないが、現地調査を含む準備は済ませている。南北首脳の合意を受けて2018年に進んだ融和事業のうち、経済分野は制裁の制約を受けて「寸止め」状態にある。軍事分野は合意に沿って、軍事境界線近くの緊張緩和措置が急進展している。

鉄道連結の着工式で設置された標識(26日、北朝鮮・板門駅)=韓国国土交通省提供

式は北朝鮮の開城(ケソン)にある板門駅で開かれ、南北合わせて約200人が出席した。南北は鉄道連結を経済協力の核心事業と位置づけている。韓国の金賢美(キム・ヒョンミ)国土交通相は「鉄道を通じ、企業は世界市場で競争力を高めることができる」と強調した。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)指導部はインフラ整備に周辺国の資金支援を当て込んでいる。鉄道省のキム・ユンヒョク次官は「他人の顔色をうかがってふらついていては、民族が望む統一連邦は実現できない」と米国を気にかける韓国側を皮肉った。

南北は9月、開城に職員が常駐する共同連絡事務所を開設。韓国統一省によると、鉄道連結を含む南北協力を巡り、南北間で12月中旬までに285回以上の会談や協議をした。だが、実質協力には至っていない。

鉄道連結の実現には高い2つの壁がある。韓国の政府系シンクタンクは高速鉄道「KTX」級を整備した場合、38兆ウォン(約3兆8千億円)が必要だと試算する。電力を安定供給するためのインフラや施設の管理・維持まで含めれば費用は際限なく膨らむ。区間によっては時速20キロ程度しか出せないほど、北朝鮮の鉄道施設は老朽化が著しい。

2つ目は国連安全保障理事会の経済制裁だ。米国は北朝鮮の非核化が実現するまで制裁を維持する方針で、着工式に伴う機材の搬入は例外で認定された。文政権は国際社会の協力を得るために周辺国でつくる「東アジア鉄道共同体」構想を提唱している。着工式には中国、ロシア、モンゴルの高官が出席したが、米国と日本は参加せず温度差が際立った。

鉄道連結を含む南北協力を巡っては、韓国の前のめり姿勢に米国が警戒感を示してきた。これを受けて韓国は11月に米国と北朝鮮問題を協議する作業部会を設け、擦り合わせを始めた。12月21日には米国のビーガン北朝鮮担当特別代表との協議で、まずはインフルエンザ治療薬を北朝鮮に提供する人道支援策に着手する了解を得た。

9月の南北首脳会談時に合意した軍事分野の融和は進んだ。米韓で十分な調整もないまま大幅な緊張緩和措置で合意したとしてポンペオ米国務長官から非難を浴びたものの、11月1日からは軍事境界線付近での機動訓練や偵察飛行など敵対行為を全面停止。非武装地帯(DMZ)にある監視所も撤去した。ただ板門店にある共同警備区域(JSA)は非武装化のうえ自由往来を可能にしようとしたが、韓国メディアによると北朝鮮が米国を含む共同管理体制に反対し滞っている。

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