東電旧経営陣に禁錮5年求刑 東京地裁公判で指定弁護士

2018/12/26 18:30
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福島第1原子力発電所事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3人の論告求刑公判が26日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。検察官役の指定弁護士は「積極的に情報を集めて的確に対策を実行していれば、重大事故は防げた。原発の運転を漫然と継続して事故を起こした」として、3人に禁錮5年を求刑した。

3人は、勝俣恒久元会長(78)、武黒一郎元副社長(72)、武藤栄元副社長(68)。公判では巨大津波の襲来を予見し、有効な対策を取ることができたかが争点で、3人はいずれも「事故を予見するのは不可能だった」と無罪を主張している。

指定弁護士は論告で、3人は巨大津波の襲来を予見できたと主張。2008年2月に3人が出席した会議で、巨大地震を巡る政府機関の長期評価を津波対策に取り入れる方針が了承されたと指摘した。

同年6月、最大15.7メートルの巨大津波が襲来するとの試算を報告された武藤氏が対策検討を指示したものの、翌月には長期評価の妥当性の検証を土木学会に依頼すると方針転換したとして、「問題の先送りにすぎなかった」と批判した。

その上で、武藤氏は現場担当者らに防護措置を検討させ、取締役会などで対策工事などを進言する義務を怠ったと指摘。武黒氏も学会の検討状況を注視して武藤氏らに報告を求める義務があったのに、それを怠ったとした。

社内会議の出席者のなかで最も高い地位にあった勝俣氏についても「その場を活用して細心の注意を払い、対策を検討する義務があった」と指摘。「被害者の苦しみと無念さはあまりに大きい。(3人は)何一つ対策をしておらず、犯情はきわめて重い」と厳しい処罰を求めた。

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