幸楽苑が「ひとり焼肉」 19年、10店舗を業態転換
中華そばチェーン「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングス(HD)は26日、「焼肉ライク」を展開するダイニングイノベーション(東京・渋谷)と提携すると発表した。来年、幸楽苑の郊外店10店舗を焼肉ライクに転換する。焼肉ライクは「牛角」を創業した西山知義氏が8月に出店を始めた焼肉チェーンで、ひとりでも気軽に食べられるスタイルが人気だ。
「焼き肉とステーキは別」

「郊外でも個食化が進む。家族客でも、1~2人でも楽しんでもらえる業態だ」。提携を発表した幸楽苑の新井田昇社長は、こう話した。焼肉ライクは客単価を1400円程度に抑えひとりでも来店しやすい気軽さが特徴。郊外に展開する幸楽苑の不振店などを業態転換して、新たな客層を呼び込む考えだ。
幸楽苑は、過度な大量出店で自社店舗間の食い合いが課題となっていた上に、2016年に異物混入事故も発生し客離れを起こしていた。最盛期に全国550店以上あったが、不採算店を閉鎖したり、ペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を結んで16店舗ほどを「いきなり!ステーキ」に業態転換し、業績は回復基調にある。
いきなり!ステーキに加え、焼肉ライクとも契約を結ぶことになるが、新井田社長は「焼き肉とステーキは別に考えている。いきなり!ステーキも条件があえば出店や転換を続ける」と話した。
郊外・家族に期待

焼肉ライクを運営するダイニングイノベーションの西山会長は「郊外での焼肉店の単価は食べ放題で2800円前後が相場。回転ずしのように千円強で食べられる焼肉店のニーズは高い」と見る。これまでの出店エリアは新橋や新宿といった都心型の店舗だったが、郊外に展開することで家族層など幅広い客層を取り込めるメリットがある。都心部では渋谷や横浜、秋葉原などへの出店も決まっており「5年で全国300店規模のチェーンにする」と語った。
(江口良輔)