北海道胆振東部地震、千島海溝の巨大地震との関係は?
日経サイエンス

2018/12/29 6:30
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北海道では2018年9月、胆振東部地震が起き、日高山脈の西側にある厚真町などで大きな被害が出た。やはり同山脈の西側、厚真町の少し南にある浦河町は1982年の浦河沖地震で被害を受けた。浦河町から日高山脈を挟んで東側にある十勝南部でも1970年、被害をもたらす地震が起きている。

2018年9月の胆振東部地震での北海道厚真町吉野地区の土砂災害現場

2018年9月の胆振東部地震での北海道厚真町吉野地区の土砂災害現場

一方、日高山脈や十勝平野、釧路平野がある北海道東部の沖合の千島海溝では、それほど遠くない将来、巨大地震が発生する可能性が高く、沿岸部に大津波が襲来する恐れがある。胆振東部地震など日高山脈周辺で起こる地震と、千島海溝の巨大地震との間には何らかのつながりがあるのだろうか?

国土地理院が展開している全地球測位システム(GPS)などのデータを解析すると、北海道各地域のひずみの蓄積ペースを見積もることができる。それによると、千島海溝に隣接する北海道東部はひずみの蓄積ペースが速い。

千島海溝では太平洋プレートが、北海道東部がのる陸側プレートの下に沈み込んでおり、付近の深海底下では両プレートが固着し、ひずみが蓄積している。その固着がはがれてプレート境界面が一気にずれ動いて起こるのが千島海溝の巨大地震だ。北海道東部のひずみの蓄積ペースが速いのは、このプレート境界面のひずみが蓄積している影響が、隣接する陸域に及んでいるためだと考えられている。

このひずみの蓄積ペースが速い領域の西縁が日高山脈の西側に当たり、胆振東部地震や浦河沖地震の震源域も含まれる。実は千島海溝から沈み込んでいる太平洋プレートは、プレート境界面にひずみを蓄積させつつ、北海道東部がのる陸側プレートを南西向きに押していると考えられている。この動きによって生じたのが日高山脈であり、今回の胆振東部地震や浦河沖地震、十勝南部の地震などをもたらした日高山脈周辺の活断層の活動もそうした動きが背景にあるとみられている。

つまり日高山脈周辺の地震も、千島海溝から沈み込んでいる太平洋プレートの動きによってもたらされており、千島海溝の巨大地震に向けて北海道東部にひずみが蓄積するプロセスの一環として理解できそうだ。

(詳細は25日発売の日経サイエンス2月号に掲載)

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