2019年2月18日(月)

中国株、一時は年初来安値 担保株増が新たな火種

中国・台湾
2018/12/25 21:05
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【上海=張勇祥】中国の株式市場で新たな火種がくすぶり始めた。25日の上海総合指数は前日比0.9%低い2504で取引を終えた。創業者など大株主が資金借り入れのため担保に差し出した上場株が4年前のほぼ3倍に膨らんだ。株価下落で担保価値が下がり、預かっている金融機関が処分に踏み切れば一段の株安につながる可能性がある。株価がさらに下落して消費者心理を冷やせば、減速する中国景気の重荷になりかねない。

全面安の株価ボードを眺める個人投資家(25日、上海市)

25日の上海総合指数は一時、年初来安値の2486を下回り、2462に達した。終値ベースで下落率は前日比1%未満だったが、上場銘柄の8割が値下がりする全面安になった。

市場では「個人投資家のろうばい売りがかさんだ」(興業証券の呉安迪マネジャー)との声が多い。中国ではなお取引の8割を個人投資家が占め、売買が一方向に振れやすい。上海市の証券会社の店頭では、株式投資で生計を立てているという30代男性が「(上海総合指数で)2000を下回らないと底入れしない」と力なく話していた。

ムニューシン米財務長官が米金融大手と電話協議したとの報道も売り材料。金融システムへの信頼性が高くない中国では「金融当局と金融機関の対話は、経営の健全性への疑念を連想しやすい」(中堅証券)という。

終値が節目の2500に近づき、懸念が強まるのが株式担保融資の動向だ。中国では創業者や株主企業が保有株を金融機関に担保として差し出し、資金を借り入れる動きが常態化している。

21日時点の担保株数は6371億株で、17年末より12%増えた。時価は概算で約4兆元(64兆円)。株数は中国市場がバブルの入り口にあった15年1月末の約3倍だ。足元で株式が担保にされている上場企業は3400社を上回る。上場企業全体の9割超にあたる。

株式の5割超が担保となっている銘柄も150近くにのぼっているもようだ。発行済み株式のうち担保株の比率が高い銘柄にはTCL集団や中国民生銀行、不動産大手の緑地控股などの有力企業も含まれている。株式担保融資が大株主の資金力を高め、さらなる投資や高額消費の原動力となってきたのは明らかだ。

中国の株式担保融資では、借り手と金融機関が清算ラインと呼ばれる株価を設定する。それを下回ると金融機関が担保の株式を市場で売却できるようになる。借り手は金融機関に預けた時点での担保株の時価の3~4割の融資を受けるのが一般的で、清算ラインもこのあたりの数字を参考に決める。15年半ばがピークだった株価の長期下落傾向で、時価が清算ラインを下回った銘柄も少なくないとみられている。

監督当局である中国証券監督管理委員会(証監会)幹部は「(金融機関による)売却の可能性がある株式の時価は約7千億元に及ぶ」と、危機感をあらわにする。秋口以降、借り手の資金繰りを支援する基金を金融機関などに設けるよう促しているが、抜本的な解決にはつながっていない。

日米はじめ世界の株式市場が下げ足を速めており、頼みとする海外からの資金流入も細る可能性が大きい。25日は取引終了にかけ政府系資金とみられる買いが入ったが、本格的な反発を見込む声は少ない。中国国内からも「米中経済の重荷になっている両国の緊張緩和が必要」(地場証券)といった声が出始めた。

小売売上高の伸び率が実質5%台にとどまるなど、中国経済は減速感を強めている。景気鈍化は株安の要因となり、株安が資産効果の剥落から高額消費の頭を抑えるという悪循環が起き始めている。上海総合指数の3000割れが定着した7月以降、自動車販売はマイナスが続いている。

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