2019年1月22日(火)

法人統合で産学連携強化 名古屋大・岐阜大合意

中部
社会
2018/12/25 18:17 (2018/12/25 22:13更新)
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名古屋大学と岐阜大学が25日、それぞれを運営する国立大学法人を統合することに合意した。2020年度にも新法人「東海国立大学機構」を立ち上げる。両学長は「国際競争力の強化と地域貢献をより高いレベルで同時に達成する」と狙いを説明。管理部門の統合で経営を効率化し、研究や産学連携を強める。

記者会見する名大の松尾学長(右)と岐阜大の森脇学長(25日、名古屋市)

20年度にも新法人「東海国立大学機構」設立

18歳人口の急減で、大学の経営環境は厳しくなっている。文部科学省は国立大の再編・連携を促すため、1法人が複数の国立大を運営できる「アンブレラ方式」の導入に向け法改正を検討中。名大と岐阜大は同方式を採用する。国立大の県境を越えた法人統合は初めてで、他地域にも再編が広がりそうだ。

「日本、特に中京地区は優良企業が集積した地域。持続的なイノベーションのため、大学の存在は極めて重要だ」。松尾清一学長は25日、名古屋市での基本合意書の締結式でこう語った。

管理部門を統合、人材育成などに財源投入

新法人設立の狙いは、共通する管理部門を統合し、研究や教育に職員や財源を振り向けること。両大学は今後、教養科目を共通化するためのシステム開発などを進める。産業界から強い要請がある数理・データサイエンス分野などの人材育成にも取り組む。

岐阜大の森脇久隆学長は「岐阜大が単独の力でできる成果は限られる。(法人統合で)出てくる成果を還元し、地域を強くしたい」と強調。松尾学長は「新しい時代に即応した先進的な教育や産学連携などの好循環を確立する」と話した。

中経連会長「研究者や起業家の交流を」

締結式には、中部経済連合会の豊田鐵郎会長や愛知・岐阜両県の副知事も立会人として出席した。豊田会長は「東海国立大学機構が中心となり、研究者や起業家の活発な交流を生み出してほしい」と期待を寄せた。

北海道、静岡、奈良でも3組7大学が運営法人の統合を目指している。名大の松尾学長は「まずは岐阜大と名大の統合を円滑にスタートさせ、大学の機能強化の動きを我々が先導したい」と述べた。

学生「全国から注目」「メリット疑問」
 名古屋大と岐阜大が法人統合に合意した25日、両大学のキャンパスの学生からは歓迎や戸惑いの声が上がった。
 統合では次世代型の高等教育を掲げ、語学や教養科目を共通化する方針だ。岐阜大応用生物科学部1年の女子学生(19)は「名大の研究室に入れるような仕組みになれば選択肢も広がる」と前向きだ。名大経済学部1年の男子学生(19)も「統合の効果を全国から注目され、学生も試される。頑張りたい」。
 一方、名大法学部2年の女子学生(21)は「どんなメリットがあるのかよく分からない」と疑問視。大学や学部は維持されるが、岐阜大工学部3年の女子学生(21)は「将来も岐阜大の名前はちゃんと残るだろうか……」と懸念する。
周辺の国立大は静観
 現時点で周辺の国立大が統合に加わる動きはない。三重大は「国立大のあり方の一つとして注視している。教育の質は担保されるか、地域とのつながりはどうなるかなどの観点から情報を収集したい」とコメントした。
 豊橋技術科学大は「高等専門学校との結びつきを重視しており、参加は考えていない」、名古屋工業大も「特色ある工科系単科大学として、独立した経営・運営を行う」と静観する考えだ。

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