豪レンドリース社長「日本で大型不動産開発」

2018/12/25 15:00
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オーストラリアの不動産・建設大手のレンドリースが日本で複合開発に乗り出す。1プロジェクトあたり総額3000億円超を投入、オフィスやマンション、商業施設などを組み込んだ総合開発を手がける計画。「東京の中心での大型開発を目指す」という。レンドリース・ジャパンの社長、アンドリュー・ガウチ氏に今後の見通しと戦略を聞いた。

「当社の現時点に抱えている建設工事の受注残高は全世界で約1兆7000億円。開発予定の案件の総額は約5兆8000億円。グループ本社のあるオーストラリアのほかアジア、欧州、米国を拠点に、バランスをとりながら世界各地で大型開発を手がけている。不動産投資から開発投資、建設、アセットマネジメントまで一貫してサービスを提供できる総合ソリューションが幅広い顧客の支持を得ている理由だ」

レンドリースが手がけるプロジェクトは規模が大きく都市部の十分に活用されていないエリアを再開発するのが特徴だ。現在、全世界10都市で1プロジェクトあたり2000億円以上、広さ5~10ヘクタール以上の大規模開発を中心に18件、進めている。

豪シドニーの港湾地区で進めるバランガルー・サウス(7.7ヘクタール)はオフィスや商業施設などのほか統合型リゾート(IR)、通勤フェリーターミナルなども組み込んだ総合複合開発。また、英ロンドンで進める高速鉄道計画「HS2」のユーストン駅周辺開発も難易度の高い複合開発だ。

「世界で積んだ経験や取得したノウハウをテコに日本でも不動産の開発事業に参入する。今年から来年にかけて案件を本格的に探していく計画だ。規模は3000億円以上を想定している。東京の中心エリアにありながら、なかなか再開発に着手できないでいた大規模なエリアを丸ごと抱え開発していく。郊外部でなく東京の中心地に近いエリアで案件を探す」

レンドリースが日本に進出して約30年。その間、かかわったプロジェクトは約600件以上にのぼる。基本は建設プロジェクトにおいて、発注者の側にたって、設計や施工が適切に実施されているかを確認し、関係者の調整を図る、いわゆるプロジェクト・マネジメント(PM)業務。シャネルのような高級ブランドの店舗の建設プロジェクトや携帯電話の基地局建設プロジェクトでも実績がある。

今後は不動産開発に打って出る。用地を取得し街全体のマスタープランをつくり、建物を建設したうえで、これを運営・管理、またはファンドに売却するなどの手法でビジネスを拡大していく考え。レンドリースの日本事業の大きな転換点と言える。

「日本の都市部の地価は高止まりしていて、不動産開発への進出のタイミングが『やや遅いのでは』との指摘があるのは承知している。ただ、その指摘は正確ではない。当社が狙っているのは都心にありながら十分に活用されていない土地だ。そういった土地を広く買って複合開発することで、エリアの価値をあげていく」

 レンドリース 1958年設立。グローバル本社はシドニーにある。社員数は1万3238人で日本の現地法人のスタッフ数は500人。2018年度の売上高は1兆3448億円、税引き後利益は643億円。運用する資産残高は2兆4426億円。不動産開発のほか設計や施工、アセットマネジメントまで日本でいうデベロッパー、ゼネコン(総合建設会社)、設計会社、管理会社が持つ機能を1社で一貫して持つ。
 (聞き手はシニア・エディター 前野雅弥)

[日経産業新聞 2018年12月17日付]

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