2019年1月22日(火)

洋上風力発電、富山県沖に 民間資金100%で国内初

科学&新技術
BP速報
2018/12/25 13:28
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日経クロステック

三井E&Sエンジニアリング(東京・中央)と、風力発電事業者のウェンティ・ジャパン(秋田市)は2018年12月19日、富山県入善町沖東側の海域に定格出力7.495メガワット(MW)の洋上ウインドファーム「入善町沖洋上風力発電所(仮称)」を建設すると発表した。電気設備は19年8月から、海上基礎は20年4月に着工し、21年1月に運転開始の予定。

入善町沖洋上風力発電所(仮称)の完成イメージ(下新川海岸 八幡地先より)(出所:三井E&Sエンジニアリング)

入善町沖洋上風力発電所(仮称)の完成イメージ(下新川海岸 八幡地先より)(出所:三井E&Sエンジニアリング)

総事業費は約50億円。北都銀行を主体に地元金融機関によるプロジェクトファイナンスを組成して調達する。固定価格買い取り制度(FIT)に基づき北陸電力に売電する。売電単価は36円/キロワット時(kWh)。民間資金100%で洋上ウインドファームを建設・運営するのは国内初になるという。

定格出力2MW級の風車4基を、入善町の沖合600~800メートルに設置する。製造企業は非公表。立地する海域の水深は10~13メートルとなる。ロータ径は86メートル、海水面からブレード(羽根)先端の最高高さは121メートル、ハブまでの最高高さは78メートルとなる。洋上風車は、新たな観光資源として期待できるほか、海中部分の漁礁効果による漁業との共生など、地域活性化にも貢献する。

洋上の風力発電設備で発電した電力は、約2キロメートルの海底ケーブルと約2キロメートルの陸上送電線によって北陸電力・入善変電所に連系する。

■国内初、洋上風車一括架設

施工方法は「洋上風車一括架設方式」を採用する。富山市の新日本海重工業・本社工場で、あらかじめタワーとナセル、ブレードを組み立てる。完成した風車を、三井E&S造船が建造したフォーク式台船に載せて約40キロメートルの距離を海上移送し、事前に設置した海上基礎の上に直接据え付ける。

洋上風車一括架設方式による風力発電設備の施工は国内初の事例になるという。洋上での作業を極力短期間にすることで、漁業への影響を抑え、工期の短縮化を目指す。

施工方式(出所:三井E&Sエンジニアリング)

施工方式(出所:三井E&Sエンジニアリング)

今秋に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(洋上新法)」が臨時国会で可決され、同法による海域利用ルールを使うと最大30年間の一般海域の占有が認められる。入善町沖の洋上風力は、新法による海域利用ルールを適用せず、富山県の条例により、3年ごとに占有許可を更新する形になる。

ウェンティ・ジャパンは、羽後設備(秋田市)、市民風力発電などが設立した、風力発電を中心とした再生可能エネルギー発電事業会社。18年12月19日現在、秋田県内に4カ所(8基)の風力発電事業の開発に関わり、3カ所(27基)を建設または開発中。

(日経BP総研クリーンテックラボ 金子憲治、ライター 工藤宗介)

[日経 xTECH 2018年12月23日掲載]

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