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スポーツ界、問われる真のパワーと覚悟
編集委員 北川和徳

2018/12/26 2:00
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不祥事が相次いだスポーツ界のガバナンスを確保するための新制度をスポーツ庁がまとめた。

競技団体が守るべき規範を定めた「スポーツ団体ガバナンスコード」を2019年春をめどに策定。日本スポーツ協会、日本オリンピック委員会、日本障がい者スポーツ協会の統括3団体が、4年ごとに傘下の中央競技団体のコードへの適合性を審査する。3団体とスポーツ庁、日本スポーツ振興センター(JSC)による円卓会議で、審査状況や不祥事への対応など情報を共有し、必要に応じて改善を求める。

不祥事対策を協議するスポーツ庁のプロジェクトチーム(中央は鈴木大地長官)=共同

不祥事対策を協議するスポーツ庁のプロジェクトチーム(中央は鈴木大地長官)=共同

国がスポーツ界に「助言」程度しかできない現在の法の枠内では、よく考えられていると思う。スポーツ界の自主性を重んじて、競技団体を審査する実務は統括団体が担う。その上で結果の確認や改善の要求はスポーツ庁も加わって実施する。

統括団体の審査とは別に、JSCも競技団体のガバナンスやコンプライアンスの状況をモニタリングして円卓会議に報告。さらにSNS(交流サイト)相談窓口なども導入して、アスリートら現場からの情報を受ける機能も大幅に強化するという。

競技団体がこれまでのように問題を知りながら中途半端に放置したり、不祥事を隠蔽したりしたら、円卓会議で火だるまになりかねない。

スポーツ界はこうした責任とリスクを負う状況にも「襟を正して取り組めば、これからは大丈夫」と安易に考えがちだ。現実的な課題を一つ指摘しておきたい。

統括3団体が競技団体を審査するための予算はどう捻出するのか。

3団体は合同で弁護士や会計士ら専門家が加わったチームを組織し、傘下の各団体の審査を進めるようだ。当然、コストがかかる。審査が必要な期間限定となるが、パラスポーツも含めた競技団体の数を考えれば、膨大な作業となるだろう。

スポーツ庁によると、国の機関であるJSCの機能強化のための予算は確保するが、民間の3団体に対する新たな補助金などは検討されていないという。

資金が乏しいからという理由で、審査がおざなりになっては、この制度自体が機能しない。スポーツ界の真のパワーと覚悟が問われている。

(20年東京五輪まであと576日)

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