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「社外」取締役はやめたらどうか(十字路)

コーポレートガバナンス・コードの浸透とともに、社外取締役、社外監査役といった存在も企業にとって普通のものとなりつつある。ある調査によれば、「社外取締役を入れてよかった」と答えた企業は全体の約6割に上り、導入前の抵抗は何だったのかと思うほどの定着ぶりである。

もちろん、効果を発揮しているとみられるこの役割をやめよというのではない。そろそろ、「社外」という言葉の不思議さに気づいても良い頃ではないだろうか。海外投資家に「Outside Director」と言っても通じないか、日本の事情を思って苦笑いされるだけだ。「社外」か「社内」かに意味はないからである。それが意味を持つのは、終身雇用の下で「ウチの論理」が通用する身内を大事にしてきた企業だけだ。そこでは部外者、ソトの人は明確に区別される。ゆえに名刺にわざわざ「社外取締役」と書く企業も少なくない。これを見ただけでもガバナンス進展度が測れるほどだ。

「社外」といわれる「ヨソモノ」が持つ価値は何か。それは客観的な第三者性、独立性にある。単に身内ではないというだけでは価値がない。確かに利益相反がなく、客観的でなければならない。Independent Directorこそが大事であるということだ。

また、このDirectorはOfficerを兼務しない。非業務執行取締役であるということが重要である。「監督」という機能に専念するところに、従来の「取締役」とは異なる特性がある。取締役というのがいまだ出世のゴールになっている状況では時期尚早かもしれないが、そろそろ、「執行」のトップにはきちんと別名称を与え(執行役員ではなく、法的な役員であるべきだ)、取締役はきちんと取り締まることに専念するようになってほしい。

(首都大学東京大学院教授 松田千恵子)

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