2019年6月17日(月)

ラグビー

ラグビーW杯 スコットランド、世界から選手発掘

2018/12/24 21:44
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アルゼンチンとのテストマッチで勝利したスコットランド(11月、エディンバラ)=ロイター

アルゼンチンとのテストマッチで勝利したスコットランド(11月、エディンバラ)=ロイター

2019年ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で、初の8強を目指す日本のライバルがスコットランドだ。1次リーグ最終戦で対戦する強豪は過去8大会で7度、8強に進んだ実績を持つ。一時の停滞を脱し、近年は好調。内外の才能を発掘する、ラグビー協会の取り組みの成果だ。

「なぜこんなに外国人選手が多いの?」――。ラグビー日本代表についてよくある質問だ。国籍のない選手でも代表になれるルールがあるからで、今秋の日本代表は海外出身者が全体の36%を占めた。ただ、上には上がいて、スコットランドは実に44%。来年のW杯の出場チームで最も多い割合だ。

スコットランド協会で強化育成を担うゲメル氏

スコットランド協会で強化育成を担うゲメル氏

イングランド、ニュージーランド(NZ)、南アフリカ、ナミビア、米国……。世界中から集まった選手が代表入りできた理由は、スコットランド人の親や祖父母を持つから。長年移民を送ってきた土地ならではだが、「我々の努力の成果でもある」。スコットランド協会のテクニカルディレクターとして強化育成を担う、スティーブン・ゲメル氏は強調する。

協会はここ数年、海外のスカウト網を拡充してきた。イングランドでは子供向けのスクールを3校運営。南アやフランス、NZにも人材発掘の担当者を置く。有望株は早めに"里帰り"を促し、地元のプロクラブと契約させる。WTBメイトランドら海外出身の多くの大黒柱がこの取り組みによって集まってきた。

金の卵の発掘、育成には国内でも注力する。「スコティッシュ・ウエー」と題された小冊子がある。「国内に一貫した指導方針や用語を広め、どんな選手や能力を育てるかを定めた計画表だ」とゲメル氏は説明する。協会が16年につくり、昨季は電子版を含めて2万5千部以上を配布。コーチ1800人に講習会も開いた。

空理空論に終わらせぬための土台づくりにも着手している。14年から、15歳以上を対象にしたアカデミーを4カ所で運営。100人の俊英にエリート教育を施す。

小冊子「スコティッシュ・ウエー」はスコットランドラグビーの「計画表」

小冊子「スコティッシュ・ウエー」はスコットランドラグビーの「計画表」

代表でのプレーから逆算して各年代の指導方針を定めた。16歳以下は相手の反則を得ても陣地獲得のキックを禁じ、速攻を促す。代表が目指すハイテンポの攻撃に慣れさせるためだ。18歳以下では肉弾戦や守備に幅を広げる。

アカデミーから巣立った後も協会の目は光っている。スコットランドには国際リーグ「プロ14」のプロクラブが2つあるが、いずれも運営主体は協会だ。選手の起用法や指導にも介入する。

この秋、アカデミー出身者は代表チームの3分の1を占めた。世界ランキングは6年前の12位から7位に上昇。昨年はW杯2連覇中のNZに善戦。史上初の勝利に5点差と迫った。

団体競技では珍しい中央集権の代表強化だが、「我々は小国なので方向性を統一するのは簡単だ」とゲメル氏。それは人口500万人のこの土地の歴史とも重なる。イングランドなどの大国と対抗するためには、FBなど新しいポジションを発明する創意工夫や、組織力が必要だった。W杯に向けても、早々と15年にはキャンプ地を長崎市に定めるなど準備で他国に先行してきた。将来を見越した選手育成、その先の代表強化は、追う立場の日本が見習うべきものだろう。(谷口誠)

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