2019年8月19日(月)

首相、6年連続賃上げ要請へ 消費税増税に備え

2018/12/25 2:00
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安倍晋三首相は週内にも2019年春季労使交渉(春闘)を見据え、6年連続で賃上げを経済界に要請する。19年10月に消費税増税を控え、一段の賃上げにより経済の腰折れを防ぐ必要があると判断した。経済界側に配慮し「3%」といった具体的な数値目標は設けず、積極的な賃上げを促す。

安倍政権は13年以降「経済の好循環を実現する」として法人税率の引き下げなどを進めると同時に経済界に賃上げを求めてきた。その結果、2%未満に低迷していた賃上げ率は2%を超えた。政権が最重要課題に掲げるデフレ脱却の実現に向け、賃上げはエンジン役を果たしてきた。

首相は18年の労使交渉で初めて「3%」と具体的な数値目標に触れた。経団連が7月にまとめた18年の労使交渉の結果によると、大手企業の定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は2.53%だった。目標の3%には届かなかったものの20年ぶりの高水準を記録した。

今回は19年10月に消費税増税を控え家計負担の増大が予想される。米中の貿易戦争による海外経済の不透明感も増している。19年度の税制改正や予算案では増税対策を講じたが、持続的な成長の実現には賃上げが不可欠だとの見方が多い。

本来、労使に委ねられる賃上げ交渉を政府がけん引することには「官製春闘」との批判がある。首相はこうした批判を意識し、今年は数値目標の設定を避ける方針だ。具体的な要請の文言は今後詰めるが、政府内には少なくとも18年並みの賃上げを期待する声がある。

経団連も「官製春闘」批判を意識し、19年の春季労使交渉に向けた交渉方針には政府からの要請を直接的に盛り込まない方向だ。18年の労使交渉指針は事実上、3%の引き上げを呼びかけていたが、世界的な人材獲得競争の激化を受け、一律の賃上げを見直す。

経団連の中西宏明会長は記者会見で「数値目標はないが経済の強さを盛り上げるために賃上げすべきだ」と強調。賃上げの重要性を巡っては、首相と足並みをそろえる。

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