トルコ、シリア作戦「数カ月中に」 米軍撤退表明で
【イスタンブール=佐野彰洋】トランプ米政権によるシリアからの米軍撤退表明を受け、トルコのエルドアン大統領は21日、「満足と同等の慎重さで受け止めている」と述べた。早期開始を警告していたシリアのクルド人勢力を標的とする越境軍事作戦については一時見合わせたうえで、数カ月中に着手する考えを示した。

トルコは米軍が過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で重用してきたシリアのクルド人民兵組織を国内の非合法組織の分派とみなし、米側に支援打ち切りを求めてきた経緯がある。米軍という「後ろ盾」を失う形のクルド人勢力は苦境に追い込まれている。
エルドアン氏は14日の電話協議でトランプ米大統領から「IS(の残存勢力)を一掃できるか」と打診されたことも明かした。エルドアン氏が請け負ったことが、トランプ氏の撤退決定につながったとの認識を示した。