2019年4月20日(土)

なにわ筋線、2031年開業へ始動 3300億円 関空が近く

2018/12/22 6:00
保存
共有
印刷
その他

大阪市の都心部を南北に縦断する「なにわ筋線」が着工に向け、大きな節目を迎えた。政府が21日に閣議決定した2019年度予算案に関連経費を初めて盛り込み、31年春の開業に向け、事業が本格始動する。大阪市と関西国際空港とのアクセス性の向上につながる新線は、府市が統合型リゾート(IR)の誘致を目指す夢洲への鉄道延伸の追い風にもなる。

大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期地区」内の北梅田駅(仮称)とJR難波駅、南海の新今宮駅をそれぞれ結ぶ。途中に中之島、西本町、南海新難波の各新駅(駅名は仮称)ができる。路線延長は7.4キロで、ほとんどが地下を走る。

大阪府・市の第三セクターが施設をつくり、JR西日本南海電気鉄道が営業する上下分離方式だ。昨年、関係者が整備について合意し、総事業費は3300億円。

国の補助事業として新規に認められた。地下高速鉄道ネットワークの充実(国費で約60億円)の予算の一部を、トンネルの設計などにあてる。今後、総事業費の23%にあたる約770億円を国が補助する見通し。

このほか大阪府・大阪市がそれぞれ590億円、南海が185億円、JR西日本が145億円を負担。残り1020億円をJRと南海が線路使用料として返済する。

国が新線を支援するのは、鉄道ネットワークの拡充効果が大きいからだ。関西空港へのアクセスであるJR阪和線、南海線と接続し、大阪駅に近い北梅田駅、東海道線支線を通り、新大阪駅、京都駅までつなぐ。

新大阪駅に着いた特急「はるか」。大阪駅は経由していない

新大阪駅に着いた特急「はるか」。大阪駅は経由していない


関空を発着するJRの特急「はるか」は大阪駅付近に停車駅はないが、なにわ筋線の開業後は北梅田駅を利用できる。関空―新大阪間の所要時間が43分程度と、おおむね8分短縮する。

新線は沿線開発にもインパクトを与える。24年に街開きする、うめきた2期の集客力が高まる。中之島駅は再生医療などの未来医療国際拠点の立地を予定する中之島4丁目と、リーガロイヤルホテル一帯の再開発が構想される中之島5丁目の中間に立地する。

今後の課題はJR西日本と南海が40年という長期にわたり線路使用料を払い続けられるかだ。路線が競合する大阪メトロの経営にも影響する可能性が高い。地下の難工事も予想される。同じ大阪市内のJR東西線では地下水の噴出事故があり、事業費が増大し、工期にも影響した。

■環状線ダイヤにゆとり 夢洲アクセス改善に期待
 なにわ筋線の開業は、JR大阪環状線の窮屈な運行ダイヤを緩和し、統合型リゾート(IR)の誘致や万博開催などで脚光を浴びる夢洲など大阪湾岸部へのアクセス鉄道建設にも追い風となる。
 関西最大の集客施設、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の最寄り駅、ユニバーサルシティ駅を通るJR桜島線(ゆめ咲線)は大阪駅と環状線経由で結ぶ直通列車もあるが、桜島線全体の3割程度。7割は西九条駅での乗り換えが必要で、待ち時間が長いケースも多い。
 環状線のうち、関西国際空港などへ向かう列車がなにわ筋線へ移れば、環状線のダイヤは楽になる。大阪市幹部は「USJに行きやすくなるだけでなく、桜島駅止まりの線路を夢洲へ延ばせば大阪駅と夢洲が直結する」と、夢洲への桜島線延伸に期待する。現在のダイヤで計算すると、大阪―夢洲駅間は20分程度だ。
 阪急電鉄は十三駅に地下駅を作り、南海のレール幅に合わせた狭軌の列車を作ってなにわ筋線に乗り入れる「なにわ筋連絡線」を計画する。なにわ筋線は、並行する地下鉄御堂筋線や四つ橋線の混雑緩和効果もあり、御堂筋線について市は17%の混雑緩和を見込む。(清水英徳)

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報