コンゴ民主共和国、大統領選延期 野党・若者は反発

2018/12/21 16:38
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【カイロ=飛田雅則】アフリカ中部のコンゴ民主共和国の大統領選挙が23日から30日に延期された。投票に使う機械が火災で焼失したのが理由だが、若者による抗議デモが起きるなど混乱する懸念が広がっている。コンゴは電気自動車(EV)の電池に使われるコバルトの最大生産国で、政情が不安定になれば供給に影響が出かねない。

大統領選挙の延期を発表したコンゴ民主共和国の選挙管理委員会(20日、キンシャサ)=ロイター

選挙管理委員会は20日、首都キンシャサの選挙区で使う投票用紙や投票用機械の大半が先週の火災で破壊されたことを理由に、大統領選の延期を発表した。火災の原因はわかっていない。

延期決定を受けて、多数の大学生が街頭で抗議行動を展開している。野党の有力候補で元石油会社幹部のファユル氏は「選挙の延期は正当化できない」と非難する。

現職のカビラ大統領は2001年に大統領だった父親が暗殺され、後継に就任。16年末の任期切れ後も選挙を延期し、居座ってきた。カビラ氏は8月に不出馬を表明。指名した腹心の候補に、複数の野党が挑む構図となっている。

カビラ氏は腹心を当選させ、23年の次回大統領選で返り咲きを狙っているとの見方も強い。若者を中心にカビラ氏の「院政」への警戒感は強く、野党候補に勢いがある。治安当局が野党支持者に発砲し、多数の死傷者が出る事件も相次いでいる。

コンゴ民主共和国(旧ザイール)はアフリカ第2位の国土の広さで人口は8千万人を超える。ダイヤモンドやレアメタル(希少金属)など資源に恵まれている。EVの電池などに使われるコバルトの供給で世界の約6割を占める。

カビラ政権は腐敗が横行し、各地に乱立する武装勢力を抑えられずにいる。資源の支配を巡る紛争が相次ぎ、東部では政府軍と反政府武装組織の対立がいまも続く。選挙をめぐる混乱が拡大すれば、そのすきを突いて武装組織が勢力を拡大する懸念もある。

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