南極の素粒子観測に高評価 米誌、今年の科学ニュース
米科学誌サイエンスは20日付電子版で、今年の科学ニュースを選ぶ「2018年の大発見」を発表。南極の氷を利用した素粒子ニュートリノの観測実験「アイスキューブ」が選ばれた。千葉大の研究者が参加する国際チームの実験で「銀河系の外からニュートリノが来たことを初めて特定した」と高評価だった。

国際チームは昨年9月、南極の氷に設置した約5千個の検出器でニュートリノをキャッチ。分析で約40億光年離れた天体から飛んできたことを突き止め、今年7月に発表した。
この天体の中心にはブラックホールがあって、地球に向かって高速でガスを噴き出しているという。分析には東京大や京都大、広島大などのメンバーも参加した。
「今年のがっかりニュース」も同時に発表。異常気象に伴う災害の増加を筆頭に挙げ、温室効果ガス削減に消極的なトランプ米大統領の姿勢などを批判。遺伝子を思い通りに改変するゲノム編集技術を使って双子を誕生させたと中国の研究者が発表したことも入れた。
〔共同〕