コネックス、5分で急速充電 物流ロボ照準

2018/12/21 9:50
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電池開発スタートアップのコネックスシステムズ(京都府精華町)は急速充電し、高い電力を出力できるリチウムイオン電池を開発した。充電速度は電動工具用電池の約4倍に高めた。頻繁に充電を繰り返して、大電力を放出する特殊な用途での利用を見込む。大手メーカーにとって投資回収が難しいニッチ分野を攻め、独創性がある電池技術開発で新たな需要を掘り起こす。

コネックスシステムズの急速充電のリチウムイオン電池

コネックスシステムズの急速充電のリチウムイオン電池

一般的にリチウムイオン電池は充電容量を左右するエネルギー密度を上げると、入出力の性能が下がる。コネックスシステムズの新電池「ハイパー電池」は入出力に特化しており、電気自動車(EV)用などの長時間利用を目的とした電池と比べてエネルギー密度は半分程度になる。

そのため、最大の特徴は充電の速さにある。電動工具を動かす程度の電力であれば5分程度でたまる。20分程度かかる通常の電池に比べて大幅に充電時間を短縮した。

5分充電を2万回繰り返しても、容量低下は数%にとどめられ耐久性を維持した。塚本寿社長は「出力を高めた電池はあるが、充電性能をここまで高めた電池はない」と自信を示す。

リチウムイオン電池は、正極から負極へリチウムイオンが移動することで充電できる。コネックスシステムズは負極の性能を高めている。薄い負極を何枚も重ねて表面積を増やすことで、イオンを吸着させやすくしている。

表面積を広げると劣化しやすくなり耐久性が落ちるものの、炭素系の特殊な負極材を開発しており、その課題を解決できた。

既存の出力特化の電池はチタン系の負極材の採用が多い。負極材を変えたことで、エネルギー密度を3割高めることもできた。電解液も自社で設計した。充電時に負極表面にできる被膜が負極を劣化させづらくなるようにした。

新電池はまず物流支援ロボット向けを手はじめにして、来春までに本格出荷を始める。動く時間が制限されながら、高い出力が要求される分野向けを対象にする。さらに頻繁に充電を繰り返しながら、複数台を連携させて動かす仕組みを想定する。

将来的には車両への転用も視野に入れる。コネックスシステムズは鉛電池とリチウムイオン電池など、特性が異なる2種類の電池を化学的に連動させる技術に強みを持つ。あたかも1つの電池のように動かし「バインドバッテリー」と呼ばれる。現在、家庭用蓄電池に採用して販売している。

この技術をEVに使って大容量のリチウムイオン電池と組み合わせれば、電力を多く使う発進や減速・停止時は高出力のハイパー電池の特徴を引き出せる。安定走行時は一般的なリチウムイオン電池に頼るといった電池特性にあわせた使い方を検討している。「ある条件や用途に特化した電池開発を続けたい」(塚本社長)と独自性で勝負する。(上田志晃)

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