2019年8月23日(金)

プーチン節4時間、世界支配「もちろん」 年末会見

2018/12/21 5:46
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20日、年次記者会見で質問に答えるプーチン大統領=AP

20日、年次記者会見で質問に答えるプーチン大統領=AP

ロシアのプーチン大統領が20日、年末恒例の記者会見を開いた。1500人規模の記者を前に、約4時間にわたり質問に答えた。米欧批判は抑え気味だったが、若者言葉も混ぜながら、歯にきぬ着せない「プーチン節」は健在だった。そんな発言からいくつかの問題を読み解いてみた。

「(世界を支配したいか?)もちろんだ」

米紙記者の質問に答えた。米国の軍事支出がロシアを圧倒的に上回ると指摘しながら、米国がロシアの脅威論を国内政治に利用しているとする主張を展開。「(世界支配をたくらむ)本部がどこにあるかは知っている。モスクワではない」とも語った。ロシアが黒海でウクライナの艦船を攻撃・拿捕(だほ)した事件を受け、米国はブエノスアイレスで開いた20カ国・地域(G20)首脳会議の際に予定していた米ロ首脳会談をドタキャンした。ロシアとの共謀疑惑への追及も強まるなかで対ロ接近に前向きなトランプ大統領を周辺が抑えたとの見方がある。プーチン氏は別の質問で、トランプ氏は議会の圧力にさらされているとして「わたしたちが会えるかは分からない」と話した。

「後になってからピーピー騒ぐな」

トランプ米政権が中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄し、欧州への配備に動けば「我々は対応せざるを得ない」と明言した。ロシアの条約違反を破棄の理由とする米国に対し、プーチン氏は米国こそ東欧へのミサイル防衛システム配備などで条約に違反しているとする。米国が一時開発を検討したとされる核を搭載しない弾道ミサイルも取り上げ、「核搭載か非核ミサイルか分かるわけねーだろ」とラフな言葉で批判した。通常兵器に劣るロシアは核戦略をてこ入れしており、米国が責めを負う形でINFが消滅することは「渡りに船」との見方もある。プーチン氏は会見で「優位に立とうとしているのではなく、均衡を維持し、安保を確保しようとしているだけだ」と強調した。

「顔がゆがんでいるのは鏡のせいではない」

この10年の経済成長率は年1%と指摘した元財務相の発言について聞かれ、「彼が当時の財務相だった」と切り返した。ロシアの18年の経済成長率の予想は1.8%と、かつてのような高成長に回帰する道筋は描けていない。会見の冒頭では、財政の黒字化や製造業の回復など明るい経済統計を列挙してみせたが、記者からは「数字はきれいだが、人々の生活は厳しい」との意見も出た。今年実施を決めた年金改革や付加価値税(VAT)の引き上げは国民の反発が大きく、8割を誇っていた支持率は6割台まで急落している。会見の質問の大半も経済問題が占めた。安全保障などを語る時と比べ、退屈そうに淡々と話す姿が印象的だ。

「沖縄県知事は米軍基地の拡大に関するいくつかの決定に反対している」

北方領土を日本に引き渡した場合に米軍が駐留する可能性を改めて懸念し、沖縄の基地問題を例に「日本にどのくらい主権があるのか分からない」と発言した。平和条約を心から締結したいとしながら、「(安全保障上の)問題への回答なしに我々は重要な決定を下せない」と語った。外国記者は米国や中国が優先され、日本人記者の質問は毎年取り上げられるわけではないが、今年は外国メディアの中で2番目に当てられた。クレムリン(ロシア大統領府筋)によると「国内の関心も高い」から。極東の一部では日本との領土交渉に反対する運動が起きている。

「中国は正しいことをした」

中国のこれまでの改革について中国人記者に聞かれ、習近平(シー・ジンピン)国家主席が3月、国家主席の任期をなくし、23年以降の続投を可能にしたことを評価した。「安定こそが前向きな発展を保証する」。2000年に就任したプーチン氏は2期務めた後、いったん首相に退いたうえで大統領に返り咲き、3月に通算4選を決めた。任期は24年までで、ロシア憲法は続けて2期以上務めることは禁じているが……。

「きちんとした男として、いつかは結婚しなければ」

長年連れ添ったリュドミラ夫人とは13年に離婚。新体操金メダリストで下院議員との再婚説が幾度となく浮上している。

(モスクワ=古川英治、小川知世)

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