トランプ氏、予算案署名せず 政府一部閉鎖の恐れ
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は20日、与党・共和党幹部に対し、米連邦予算の一部が21日に期限を迎えるのを受けて「国境の壁」建設費用が計上されていない予算案に署名しない方針を伝えた。これを受けて下院は20日、壁費用を含む予算案を可決したが、上院で通るメドは立っていない。21日までに予算が成立しなければ、一部の政府機関が閉鎖するリスクがある。
下院は「国境の壁」費用として57億ドル(約6300億円)を盛り込んだ19年2月8日までのつなぎ予算を可決した。上院(定数100)でも可決するには野党・民主党の賛成票が欠かせないが、同党は壁建設に反対している。上院は19日、壁費用を含まないつなぎ予算を先に可決していた。
18年12月21日までに予算が成立しなければ、国境警備を担う国土安全保障省や国務省、商務省などの予算が一時的に失効する。航空管制や入国審査、沿岸警備、司法捜査など国家運営に関わる業務は、職員が一時的に無給で勤務を続ける。国立公園は閉鎖される可能性がある。
22日以降は週末と休暇シーズンに入るため、もし予算が失効しても長期化しなければ、経済活動への影響は軽微にとどまるとの見方が多い。米軍を管轄する国防総省のほか、教育や労働、エネルギーなどの省庁は、19会計年度(18年10月~19年9月)予算が既に成立している。
トランプ氏は不法移民対策として、国境の壁の建設費用が予算に盛り込まれなければ、政府閉鎖も辞さない姿勢を示してきた。