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貫地谷しほり 大好きなモノだけに囲まれて暮らしたい

「自分好みのかわいいものしか持ちたくない」が貫地谷しほりさんのモットーだという

2007年のNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』で、ヒロイン喜代美を演じた以降も、若手実力派女優として活躍する貫地谷しほりさん。最新作の映画『この道』で演じたのは、明治、大正、昭和を駆け抜けた詩人・北原白秋の妻、菊子。才能にあふれる文化人でありながら、どこか頼りない夫を優しく見守り支える菊子を、持ち前の透明感と柔らかな存在感で演じた。和服姿の古き良き日本女性が似合う印象が強い貫地谷さんだが、意外にも最新家電は日ごろからチェックしているという。ここ最近のヒットアイテムは「床拭きロボット ブラーバ」(アイロボット)だと瞳を輝かせる。

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「ブラーバ」はピラティスの先生のお薦め

「ブラーバ」はいつも通っているピラティスの先生が「いいわよ」と薦めてくださって、1年ほど前に購入しました。ぬれ拭きとから拭きを選べるのもいいですし、音がうるさくないんです。キュッキュッと動いている姿もかわいくて。アロマを垂らすと床がいい香りになるので気分もリラックスでき、とても気に入っています。

購入したのは家電量販店のヨドバシカメラです。ポイントカードを持っていることもあって、店頭にもよく行きますね(笑)。掃除用品は日々進化しているので、最新の情報を店頭で仕入れたり、ネットで調べたりします。今、探しているのはコードレスで紙パック式の掃除機。サイクロン式を使ってるんですが、ごみ捨ての際に手が汚れるのがどうも納得いかなくて(笑)。ちょうどいい紙パック式掃除機が出ないかなと思ってるところです。

貫地谷さんは家電量販店の店頭にも気軽に足を運ぶという

ほかには、音楽が好きでよく聴くのですが、利用しているのはiPhoneです。アップルの製品は好きで、iPhoneは最新機種が出ると買い替えています。ただ、付属のイヤホンはデザインがあまり私好みのものがなくて、「BANG & OLUFSEN」のイヤホンを愛用しています。全ての「モノ」にいえるんですが、「自分好みのかわいいものしか持ちたくない」が私のモットーです。

今回、私が演じた菊子も、常に音楽に囲まれていました。北原白秋は詩人であり、童謡をたくさん手がけた方。『この道』という作品に出合うまでは、教科書に載っている立派な人というイメージでした。ですが、大森南朋さん演じる白秋はとても人間味にあふれていて、愛らしく憎めないキャラクター。確かに、白秋は女ったらしで困ったところもありますが、心が動いたら自分に嘘がつけない人だったのかなと。それって、とても大事なことだと思います。

貫地谷さんは若い人に自分の枠を飛び出してほしいという

今は、勝手に自分で自分に規制をかけたり、縛ってしまったりする人が多く、そうしていくとどんどん選択肢が狭まってしまう気がします。みんながみんな、白秋さんみたいに自由でも困るとは思うのですが、10代、20代の若い方は特に自分の枠を飛び出してほしいなと思いますね。

貫地谷さんの特技は着物を5分で着ること。今回の撮影ではビンテージの着物に心躍ったという(C)2019映画「この道」製作委員会

私自身も日ごろから、芝居で制限をかけたくないと思っています。演じていて、「これはやっちゃいけない」と自分で制限をかけそうになることもありますが、そうするとどんどん芝居が小さくなってつまらなくなる。たとえば、おもむろに大きな声を出してみると、意外に今までとは違うところに行けたりするんですよね。

演じるときに大切にしているのは、「置かれた状況にどのような気持ちでいられるか」。どんなに技術が進んでも、役者は自分自身しか表現するすべがありません。自分が嘘泣きしていると感じながらただ涙を流していたら、それは見る側に確実に伝わります。心から泣けるよう、その場に居ることを大事にしたいですね。

衣装とメークで役に入り込む

演じる上で衣装やメーク、セットなどのモノに助けられることはとても多いです。作品ごとに違う人物を生きるという心構えですが、私という同じ人間なのでどうしても限界はあります。衣装が決まり、メークをすることで役に入り込むスイッチが押される。今回は大正時代などのビンテージの着物を着せていただきました。デザインや柄が独特のかわいらしいものばかりで撮影中は心躍りました。白秋にプロポーズされるシーンで着た着物が特にお気に入りで、記者会見でもそれを着させていただきました。

大森南朋さん演じる白秋はとても人間味にあふれていて、愛らしく憎めないキャラクターでした

白秋夫婦が暮らす家も、現存する家屋を使って撮影しました。小道具もビンテージか新品に「汚し」をかけたものなのか見分けがつかないくらい時代感が出ていて、京都太秦の職人さんのすごさを目の当たりにしました。関東大震災のシーンでは、家具を実際に倒すというアナログな手法でしたが、そのおかげでとても迫力のある映像になりました。

今はCG(コンピューターグラフィックス)の技術も素晴らしいのですが、「CGでここから物が降ってくるので、こう動いてください」と言われて動いてみても、想像が追いつかないこともあるんです。地震のシーンでは、息子役の男の子は物が倒れる間、不思議なことにじっと黙っていました。それが収まった途端に泣き出したんですね。実際に棚が倒れる様を目の当たりにしたり、倒壊する音に反応したりすることでしか生まれないリアリティーもあるのだと感じました。

「今、欲しいモノ」ですか? 遊ぶ時間かな(笑)。女優のお仕事は大好きですし、20代は一にも二にも仕事が最大の関心事でした。ですが、30歳になる少し前に尊敬する方から「女優業は私生活が忙殺される。だからこそプライベートを大事にしなさい」とお手紙をいただいて。すてきな先輩方を改めて見てみると、みなさん自分の生活を大切にしているなと気づいたんです。だんだんと考え方も変化して、今は(女優以外の)いろんなことをすることがすごく楽しいなと思えるし、いろんなところに行ってみたいなと思うようになりました。

あと、気になっているのがワインセラー。ある取材で「宝くじが当たったらどうしますか」って聞かれて、「豪邸がほしい」って答えたんですね。そしたら、「豪邸に住めたら、最初に置きたい家電はなんだろう」と妄想が止まらなくなって(笑)。ネットなどで検索して目に付いたのがフォルスターのおしゃれなワインセラー。かわいいもの好きの私は、部屋にこれを置いたらきっとテンションが上がりそうだなって(笑)。

実は、「モノ」が増えて困っているんです。宝くじの質問に対し、とっさに豪邸と答えたのもどうにかしたいという気持ちの表れだったのかも。気に入った製品の買い置きがないと不安なので、コストコのような大量パックも誰かとシェアせず全部ストックにしてしまうんです(笑)。豪邸であれこれ好きなものに囲まれて生活しつつ、自分に本当に必要な最低限は何かを見極めていけたらいいですね。いつか、自分の手が行き届く小さくてかわいい家で、大好きなモノだけに囲まれてこぢんまり暮らすのが最終的な夢なんです。

気に入った製品の買い置きがないと不安になるので、ストックしてしまうんです(笑)
貫地谷しほり
1985年12月12日生まれ、東京都出身。2002年に映画デビュー。04年の映画『スウィングガールズ』で注目を集める。シリアスな役からコミカルな演技まで幅広く演じ分け、ナチュラルに存在感を示す稀有(けう)な存在の女優。特技は着物を5分で着ること。

『この道』

(C)2019映画「この道」製作委員会

遊び人でダメ男の詩人、北原白秋(大森南朋)と、勤勉で真面目なエリート音楽家、山田耕筰(AKIRA)。正反対の二人が出会わなければ、今も歌い継がれる童謡は生まれなかったかもしれない……。白秋の妻、菊子を演じる貫地谷しほりをはじめ、与謝野鉄幹・晶子夫妻を松重豊と羽田美智子が、鈴木三重吉を柳沢慎吾が演じる。メガホンを取るのは『半落ち』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得した佐々部清。2019年1月11日(金)から全国公開。

(文:橘川有子 写真:中村嘉昭)

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