2019年3月22日(金)

松橋事件、再審無罪へ 検察、殺人の立証断念

2018/12/20 11:06 (2018/12/20 13:14更新)
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熊本県松橋町(現宇城市)で1985年、男性(当時59)が刺殺された松橋事件で、殺人罪などで懲役13年が確定し、服役した宮田浩喜さん(85)の再審公判に向け、裁判所と検察、弁護団の3者協議が20日、熊本地裁で始まり、検察側は有罪立証を断念すると表明した。やり直しの裁判で宮田さんの殺人罪について無罪が確実となった。地裁は再審初公判を来年2月8日に開く方針。

協議終了後に記者会見した弁護団によると、検察側は殺人罪について「有罪の立証も主張もしない。無罪求刑はしない」とした。協議の中で地裁は、確定判決時に有罪認定の根拠となった宮田さんの自白調書の取り調べを再審公判でしないよう提案し、検察側は「上級庁と協議して判断する」と応じた。一方、他に罪に問われた銃刀法違反と火薬類取締法違反については有罪の求刑をする方針を示した。次回3者協議は来年1月31日に設定した。

再審請求審で、熊本地裁は2016年6月、宮田さんが「凶器の小刀に巻いて犯行後に燃やした」と説明したシャツ片が現存した点を重視し、捜査段階の自白の信用性を否定。裁判のやり直しを認める決定をし、昨年11月に福岡高裁も支持した。検察側は特別抗告したが、最高裁が今年10月、棄却した。

事件は85年1月、岡村又雄さんが自宅で殺害され、将棋仲間の宮田さんが逮捕された。86年の一審・熊本地裁判決は自白の信用性を認めて懲役13年とし、最高裁で90年に確定した。宮田さんは99年3月に仮出所。認知症のため、成年後見人の弁護士が12年に再審請求した。

宮田さんは現在、脳梗塞の後遺症と認知症を患い、熊本市内の施設で暮らす。食事や入浴など、日常生活に介助が必要な状態だという。〔共同〕

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