NY株、1年1カ月ぶり安値 FRB会見で下げ加速 - 日本経済新聞
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NY株、1年1カ月ぶり安値 FRB会見で下げ加速

【ニューヨーク=宮本岳則】19日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が反落し、2017年11月以来、約1年1カ月ぶりの安値をつけた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が記者会見で金融政策の正常化で進める資産圧縮について「変更はない」と発言し、相場の下げが加速した。金融環境の引き締まりが意識され、投資家が再びリスク回避姿勢を強めた。

19日のダウ平均の終値は前日比351ドル98セント(1.48%)安の2万3323ドル66セント。朝方は高く始まり、上げ幅は一時300ドルを超える場面があった。ところが午後2時すぎにFRBによる追加利上げの決定が伝わると急速に上げ幅を縮小。パウエル氏の会見中にダウ平均は明確に下落基調となり、一時500ドル安まで売られた。投資家がリスク回避姿勢を強めた結果、特にハイテク株の下げがきつかった。一方、安全資産とされる米国債には買いが集まり、長期金利は低下した。

株式相場が最も反応したのは、パウエル氏が記者会見で資産圧縮ペースは変わらないと述べたあたりからだ。FRBは現在、金融緩和で買い入れた国債などの残高を毎月500億ドル程度のペースで減らしている。市場参加者の一部ではFRBが経済・金融環境の変化を受けて、利上げ回数を減らすとともに、資産圧縮ペースの鈍化にも言及するとの期待があった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)参加メンバーが提示した19年の想定利上げ回数は3回から2回に減り、市場の予想通りの結果となった。ところがパウエル氏が資産圧縮を現行通り進める考えを示し、緩和環境が長続きするとの思惑が外れた。「FRBは市場が期待していたほど(利上げに慎重な)『ハト派』になっていない」(米保険会社プルデンシャル・ファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との受け止めが広がり、いったん持ち高を処分する売りが膨らんだ。

市場関係者の間では相場の先行きを慎重に見る声が多い。米インスティネットの株式トレーダー、フランク・カッペレリ氏は株価指数の水準について「売られすぎサインが出ている」と指摘する一方「FRBが19年の利上げを慎重に進めるかどうか現時点で見極めがつかず、不安定な相場が続く」とみていた。

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