米軍、シリア撤退「早期に」 米議会は反発

2018/12/20 6:14 (2018/12/20 8:40更新)
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【ワシントン=中村亮】ホワイトハウスは19日、シリアに展開する米軍が撤退を開始したと明らかにした。複数の米メディアによると、トランプ大統領は早期に全ての米兵を撤退させたい意向だという。過激派組織「イスラム国」(IS)の勢力が一部に残る中での撤退には、米議会から反発の声があがった。

シリアに展開する米軍=ロイター

ホワイトハウスは19日の声明で「ISは5年前にとても強力で危険な勢力だったが、米国は現時点でISの支配地域を解放した」と主張。「次の段階の作戦に進むために米軍の撤退を開始した」と説明した。

トランプ氏は19日、ツイッターに投稿した動画で「(シリアに駐留する)米軍は帰還する時がきた」と訴えた。「シリアでのISとの戦いに勝利した」と繰り返し強調し撤退の正当性を訴えた。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、トランプ氏は30日以内に全ての米兵がシリアから撤退するよう関係者に命じた。米CNNテレビも「(米軍が)全面的かつ迅速な撤退」に向けた計画を進めていると報じた。一方、ホワイトハウス高官は同日、記者団に米軍の撤退規模や完了時期について「分からない」と説明するだけだった。

オバマ前政権は2015年、シリア内戦の隙を突いて勢力を拡大したISの壊滅を任務として地上軍を派遣した。2000人規模の米兵がシリア北東部などに展開し、協力関係にあるクルド人勢力を支援。トルコやイラクからの空爆と合わせてIS壊滅作戦の推進に貢献してきた。

トランプ政権はシリア政策の目標をIS壊滅だけでなく、シリアのアサド政権によるテロ支援の阻止やイラン軍のシリア撤退もあげてきた。アサド政権やイランの影響力拡大を阻止するには米軍がにらみを利かせる必要があるとの見方が強まり、米軍のシリア駐留は長期化するとみられていた。

議会では、トランプ氏の決断に反論する議員が目立った。共和党のルビオ上院議員は米軍が撤退に反対していることを引き合いに「重大な失敗になる」とトランプ政権を糾弾した。民主党のメネンデス上院議員も「危険な決断だ」と指摘。イランの勢力拡大につながり、米国と友好関係にあるイスラエルの脅威になると指摘した。

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