燃料電池バス「SORA」、静岡市で試験走行

トヨタ自動車の燃料電池バス「SORA」が19日、静岡市内で試験走行を行った。走行中に二酸化炭素(CO2)を排出せず、環境性能に優れているうえ、災害時に電源として活用することも可能だ。2020年にも静岡県内の路線バスに導入する計画だ。
試験走行では川勝平太知事や県内路線バス事業者らが乗車。県庁周辺を走り、乗り心地などを確かめた。川勝知事は乗車後、「静かで快適だった。未来を告げるバスだ」と語った。
SORAはトヨタの東富士研究所(静岡県裾野市)などで開発を進めてきた。燃料となる水素の充填1回当たりの航続距離は200キロメートルで、最高速度は時速70キロメートル。水素と酸素を反応させて発電した電力で走行する。災害時には電源としても使える。
県は路線バス事業者らと燃料電池バスの導入の検討を進めている。SORAの価格は1台につき約1億円で、一般的なバスの4~5倍。県は20年に県内で1台、30年には20台を走らせる目標を掲げている。