香川県、東京芸大と協定 沢学長「地域連携の先駆けに」
香川県と東京芸術大学が連携・協力協定を結ぶことになり19日、沢和樹学長らが香川県庁を訪れ調印式を行った。東京芸大が都道府県と連携協定を締結するのは初めて。「今後広がる東京芸大と地域との連携の先駆けになる」(沢学長)という。沢学長に経緯や狙いなどを聞いた。

――香川県は県単位では初めての連携先です。
「市町村との交流は全国いたる所であるが、香川は瀬戸内国際芸術祭との関わりなども含め、複数の市町と交流がある。また、音楽や美術など複数の学部・部局が(ワークショップや高校生への指導などで15年以上前から)関係を築いてきた。映像研究科や国際芸術創造研究科というアートマネジメントの大学院など、今後協力の分野が広げられる可能性もある」
「いろいろな所から申し出はいただいているが、これから何かやってほしいというケースが多い。香川の場合はすでに実績があって、それをさらに強めたいということで連携協定に至った」
――東京芸大にとってのメリットは何ですか。
「在学生や卒業生、教員もそうだが、アーティストというのは自分の活躍の場を常に求めている。東京に居るだけで完結するものではなく、地方とか、全世界も含め、出て行ってそこで迎えてもらえるというのはすごく大きなことだ」
「これまでも香川県は、美術の場合は展覧会や芸術祭などの場所で迎え入れていただいてきたし、音楽も、教員や生徒が地元で主催する講習会などに参加してきた。そこで芸大に来てくれるような人材が育っていくということで、お互いにメリットがあるのではないか。その子が頑張っている姿というのは周りが気付いていないことが多い。地元の先生とも協力し、応援する仕組みを醸成したいというのもある」