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英GSK・米ファイザー、大衆薬を統合 売上世界一に

【ロンドン=篠崎健太】製薬世界大手の英グラクソ・スミスクライン(GSK)と米ファイザーは19日、一般用医薬品(大衆薬)事業を統合すると発表した。合弁会社を設立し、GSKが68%、ファイザーが32%出資する。GSKは統合完了から3年以内に新会社の株式を英国で上場させ、医療用医薬品・ワクチンと大衆薬の2社体制を築く方針だ。

GSKのエマ・ウォルムズリーCEOは大衆薬の強化を掲げる

新会社の売上高は98億ポンド(約1兆4000億円)と、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)を上回り世界最大の大衆薬メーカーになる。社名は「GSKコンシューマー・ヘルスケア」とし、2019年後半に統合を終える見通しだ。

GSKの大衆薬事業は歯磨きの「センソダイン」(日本名シュミテクト)や抗炎症剤「ボルタレン」などが主力製品で、17年12月期の部門売上高は71億ポンド(約1兆円)だった。ファイザーの大衆薬は痛み止め「アドビル」や、ビタミン剤「セントラム」などを手掛けている。17年12月期の部門売上高は34億ドル(約3800億円)だった。

GSKの狙いは医療用医薬品やワクチンの開発力強化にある。大衆薬はファイザーとの統合で収益力を引き上げる一方、将来的には切り離し、その売却収入を研究開発(R&D)拡充などに注ぎ込む構想だ。12月上旬には米がん治療薬ベンチャーのテサロを総額51億ドルで買収すると発表し、新薬開発に注力する戦略を鮮明にした。

エマ・ウォルムズリー最高経営責任者(CEO)は同日のアナリスト向け説明会で「英国を基盤とする新たな2つのグローバル企業を築く道筋を示すものだ」と強調した。大衆薬事業は統合完了から3年以内に切り離し、英国を拠点とする2社体制に移行させる。

GSKは4~6月期に欧州製薬大手ノバルティス(スイス)から130億ドルで大衆薬の合弁事業を引き取り、完全子会社にした。ファイザーとの統合で規模をさらに引き上げて収益力を高める。22年までに年間5億ポンド規模のコストを削減できると見込んでいる。

一方、ファイザーは売上高全体の1割未満にとどまる消費者向け事業の売却を模索してきた。17年10月に切り離す方針を表明し、これまでに米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などが買い手に取り沙汰されていた。GSKも名乗りを上げたが、いったん撤退していた。合弁という新たな形で大型再編が実現する。

処方箋がいらない大衆薬は広告費などの費用がかさみ、利益を上げにくい。抗体医薬など医療用医薬品の研究開発の難易度が高まっており費用もかかる。世界の医薬品業界では創薬に注力するため大衆薬事業を切り離し、経営をスリム化する動きが相次いでいる。18年に入りP&Gはドイツ製薬大手メルクの大衆薬事業買収を決めた。

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