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ソフトバンク、NYの見立ては株価800円?

昨日、ニューヨークの証券アナリストたちにソフトバンク上場の話題を向けたところ、EV(企業価値)/EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)倍率をベースに、妥当価格は総じて700円から800円前後という数字が返ってきた。

配当利回り5%については、英ボーダフォンや米AT&Tなどに比べ低いという。5%が維持できるのか、という疑念も呈された。スマートフォン(スマホ)は成熟商品なうえ、楽天の参入による競争激化も見込まれる。上場前には通信障害や中国の華為技術(ファーウェイ)を巡る問題も発生した。

そもそも、株式市場の地合いが極度に悪化している。ダウ工業株30種平均が12月としては1931年以来という下げ幅を記録中だ。ソフトバンク上場が日経平均株価の2万円割れのキッカケになると読むファンドもあった。

出来高を見ても、約2億7000万株という大商いではあったが、その大半は寄り付き後15分程度に集中している。午後の出来高は数千万株の単位だ。結局、にぎわいは、朝方の15分だけであった。

昨日、ある駅前では、格安スマホの販売員たちが声をからして売り込み合戦する近くで、ハッピ姿の証券会社社員たちがソフトバンク株のパンフレットを配っていた。筆者は「証券会社の体質は昔と変わっていないな」と感じ、24時間後のソフトバンク上場に危うさを感じた。

ソフトバンク株を購入した顧客に対して、公開価格1500円を割り込んでも「なしのつぶて」という事例が少なくないようだ。こういうときこそ、顧客に寄り添う営業姿勢の証券会社との差が鮮明だ。ノルマ達成のためと営業員に頼まれ、お付き合いで買ったが、初値で売却した事例も少なくないという。

さまざまな教訓を残したソフトバンク上場初日であった。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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