2019年8月25日(日)

マイカー乗り入れ可能に マスク氏、地下トンネル開通

2018/12/19 15:38
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【シリコンバレー=白石武志】米起業家のイーロン・マスク氏は18日、ロサンゼルス市内で建設していた地下交通システム用の試験トンネルが開通したと発表した。高速道路のように個人の電気自動車(EV)も乗り入れが可能な作りになりそうだ。今後はトンネル内でEVを使った走行試験を重ね、同市中心部と空港を結ぶトンネルなどの建設につなげる計画だ。

米ボーリング・カンパニーが完成させた試験トンネルを走るテスラ製EV=ロイター

米ボーリング・カンパニーが完成させた試験トンネルを走るテスラ製EV=ロイター

■「3次元の高速道路」

マスク氏が2016年に設立したトンネル掘削会社の米ボーリング・カンパニーが、ロサンゼルス市内で全長1.8キロメートルのトンネルを完成させた。米テスラのEV「モデルX」を改造した車両に乗ってトンネル内から発表会の会場に登場したマスク氏は地下交通システム構想について「3次元の高速道路システムのようなものだ」と説明した。

掘削技術の改良などによって、費用を従来の100分の1に抑えたという。マスク氏によると従来のトンネル工事は1マイル(1.6キロメートル)を掘り進むのに10億ドル(約1100億円)以上の費用がかかるケースもあったという。ボーリング社ではトンネル断面の直径を半分に抑えたり掘削機の出力を高めたりすることで、1千万ドル未満で試験トンネルを完成させた。

■地上からは専用エレベーター

ボーリング社は地表から地下のトンネルまで乗用車を運ぶ専用エレベーターの試作機も公開した。マイカーに乗ったまま地下に降り、トンネルの壁面に接触するのを防ぐ補助輪を使って地下空間を高速で移動し、エレベーターを使って再び地表に戻ることで都市内の交通渋滞を回避することができるという。

ボーリング社はトンネル内では時速240キロの最高速度を目指すとしているが、当面は安全面の制約から時速60~80キロメートルで試験を重ねる方針だ。トンネルを地中に幾重にも重ねることで、交通量の拡大に無制限に対応できるという。

都市内の交通渋滞を解消する次世代技術として、米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズは垂直離着陸が可能な「空飛ぶクルマ」の開発を進めている。マスク氏は地下交通システムの優位性として、天候に左右されにくい点や、騒音などの公害が少ないことを例に挙げた。

■周辺住民の反対も

マスク氏は今年5月に開いた説明会で試作トンネルで検証した技術を使ってロサンゼルスの中心部から国際空港までのトンネルを建設する計画を示している。ただ、同市内で建設を進めていた別のトンネルは環境への影響を懸念する周辺住民の反対で計画中止に追い込まれており、実用化に向けては地域社会との協調が課題となりそうだ。

2018年はテスラの株式非公開化の計画が頓挫し、米証券取引委員会(SEC)から訴訟を起こされるなどマスク氏にとって多難な一年となった。ただ、懸案だった新型EV「モデル3」の量産が軌道に乗り、同氏が率いる宇宙開発ベンチャーの米スペースXも米航空宇宙局(NASA)から受託した有人宇宙船の試験飛行を19年1月に予定するなど、構想の多くは一定の成果をおさめつつある。

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