2019年1月17日(木)

17年衆院選の1票の格差、「合憲」最高裁判決

社会
2018/12/19 15:08 (2018/12/19 18:13更新)
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「1票の格差」が最大1.98倍だった2017年10月の衆院選は違憲だとして、2つの弁護士グループが選挙無効を求めた計16件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は19日、「合憲」との統一判断を示した。国会の取り組みを「投票価値の平等の確保という要請に応えつつ、選挙制度の安定性を確保する観点から漸進的な是正を図ったと評価できる」とした。

最高裁判決を受け、升永弁護士(左から3人目)らは記者会見した(19日、東京・霞が関)

最高裁判決を受け、升永弁護士(左から3人目)らは記者会見した(19日、東京・霞が関)

最高裁は判決で、国会が人口比を正確に反映しやすい「アダムズ方式」を20年の国勢調査後に導入すると決め、定数の「0増6減」や区割り改定などを実施した点を評価。「格差を相当程度縮小させ、その状態が安定的に続くよう立法措置を講じ、アダムズ方式による定数配分がされるまでの是正措置も行って最大格差を縮小させた」とした。

各都道府県に1議席を割り振る「1人別枠方式」の影響が一部で残っていても、一連の取り組みなどを総合的に考慮すれば、「今回の選挙の区割りが、憲法が要求する投票価値の平等に反する状態にあったとはいえない」と結論づけた。

15人の裁判官のうち、11人の多数意見。2人は「違憲状態」との意見、2人が「違憲」との反対意見を付けた。林景一裁判官(行政官出身)は意見で「『約2倍』を最終目標と考えるのは適当ではない。判決の結果をもって事足りることはなく、絶えず活発に改善を目指すべきだ」とした。

最高裁は最大格差が2倍を超えた09年、12年、14年の衆院選を「違憲状態」と評価。国会はアダムズ方式の導入や0増6減、区割りの見直しなどを実施し、17年衆院選では最大格差が小選挙区比例代表並立制の下で初めて2倍を下回った。

一橋大の只野雅人教授(憲法)は「判決は、今後の人口見通しなどを踏まえて『最大格差2倍未満』が維持される仕組みが整えられた点を評価した」と指摘。その上で「2倍をぎりぎり下回ればいいのかという問題は残る。まずは2倍未満をしっかり維持する運用が必要で、それが難しくなった際に国会がどう対応するかが問われる」と話している。

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