2019年6月25日(火)

習氏、中国の改革「すべて党が指導」 企業や市場も
改革開放40年演説

2018/12/18 19:03
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【北京=原田逸策】中国共産党は18日、改革開放40年を祝う記念式典を開いた。国家主席の習近平(シー・ジンピン)党総書記は講演で「あらゆるものに対する党の指導を堅持する」と述べ、党主導で改革を進める方針を強調した。貿易戦争で米国の圧力が強まるなか、習氏は開放を進めると口にしたものの、改革開放の柱だった市場化の動きはかすむばかりだ。

北京市の人民大会堂。「開放を堅持しなければならない」と習氏は講演で語ったものの、改革開放の教訓として真っ先に挙げたのは「党の指導」だった。「党、政、軍、民、学、東西南北すべてを党が指導する」と述べ「共産党の指導が中国の特色ある社会主義の最大の強み」と言い切った。

改革開放は「文化大革命」で疲弊した中国経済を立て直すために鄧小平氏が始めた。過去40年で中国の国内総生産(GDP)は220倍に膨らんだ。計画経済時代の国家統制を緩め、ヒト、モノ、カネの動きを少しずつ市場に委ねたのが改革開放が成功した秘訣だ。

習氏は「党の指導」の名のもとに経済への統制を強めており、市場化改革はすっかりかすんだ。1時間余りの演説でも「市場」という言葉は4回しか使わなかった。

当然、民間企業や市場にも党の指導が及ぶ。招待されたアリババ集団の馬雲(ジャック・マー)氏と騰訊控股(テンセント)の馬化騰氏らが「改革開放の貢献者」として賞状とメダルを受け取る姿は、党の影響力から逃れられない中国企業を象徴する。外国人も表彰の対象になり、日本からはパナソニック創業者の松下幸之助氏と大平正芳元首相の2人が選ばれた。

習氏は今後の改革の方向性について「何をどう改めるかは『中国の特色ある社会主義』を発展させるかどうかが尺度になる」と述べた。「改めるべきでないものや改められないものは断固改めない」とも強調した。

欧米諸国のような、法の支配と市場の規律を柱とする経済や社会を実現する改革には背を向けたといえる。4月の博鰲(ボーアオ)アジアフォーラムや11月の輸入博覧会での演説で強調した「中国の開放の門はどんどん大きくひらくばかりだ」という発言も今回はふれなかった。

ペンス米副大統領をはじめ米国の対中強硬派は中国に市場開放の圧力を強めている。中国内では対米融和派と強硬派で意見が割れており、習氏は難しい対応を迫られる。

講演で習氏は名指しこそしなかったものの「自らの意志を他人に押しつけたり、他国に内政干渉したりするのは反対」と米国を念頭に置いた批判を繰り返す一方で「中国が他国の利益を犠牲にして発展することはない」とも述べた。批判と慎重な表現を使い分けることで、融和派と強硬派双方に配慮したとみられる。

米中は2月末までを期限とする構造改革の協議に入っている。中国の知的財産保護、技術移転の強制などがテーマだが、根底で米国は市場をゆがめる官民一体の中国の経済運営を懸念する。習氏の講演からすると譲歩余地も限られそうで、厳しい交渉となりそうだ。

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