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股関節の折りたたみ、効率いいフォームの土台に
ランニングインストラクター 斉藤太郎

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2018/12/22 6:30
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今回は「股関節の折りたたみとランニングの効率」というテーマでお話しします。効率のいいフォームかそうでないかを見る尺度の一つに「股関節を屈曲できているかどうか」があります。ランニングに限らず、相撲の立ち合いやバレーボールのレシーブを見ても、スポーツのあらゆる場面で股関節を折りたたむことが素早い反応と密接に関わっていると考えます。子どもの運動にしても、能力が高い子は股関節を折りたたんで伸ばす動作(屈曲)にたけています。

「>」のラインができているかが目安

ランニング中の脚の動きとしては、体のやや前で足が地面に着き、着地して体を支えている足の上を体が通過、最後に足の指先で地面から離れていく。このサイクルが左右交互に繰り返されます。

(写真1)股関節が「>」のラインをつくり、前方への速やかな移動につながっている

(写真1)股関節が「>」のラインをつくり、前方への速やかな移動につながっている

好例として挙げたフォーム(写真1)で、股関節が折りたたまれているところに注目してください。接地後に体が前方へ速やかに移動しているのがわかります。股関節が描く不等号の「>」のようなライン。この屈曲によって、着地の際に地面から受ける反力をでん部で受け止めることができています。

着地の際に体(重)が上から落ちる力と、下からの反力。骨盤から足先までがサスペンションの役割を果たし、ここで生まれる大きなエネルギーを、体が前方へ進むエネルギーに変換するのです。「落ちては弾む」の繰り返し。股関節が「>」のように折りたたまれての着地、前へのバランスの崩れの連続により、効率よく走ることができるのです。自らの足で地面を蹴って進むのとは全く異なります。

(写真2)股関節が折りたためておらず、前ももでブレーキをかけるように接地。スムーズな前方移動ができていない

(写真2)股関節が折りたためておらず、前ももでブレーキをかけるように接地。スムーズな前方移動ができていない

次は股関節が折りたためていないところに注目(写真2)。接地時は主に前ももの筋肉を使っていて、強いブレーキがかかっています。股関節に「>」の角度はほとんどつかず、体が接地する足の前方に移動するまでに時間を要します。着地して支える足の真上に体がきたときに最も強く地面に力を伝えたいのですが、支えるどころか腰が落ちて沈んでいます。体幹ではなく脚の筋肉によって支えられてしまっています。

接地時にブレーキがかかる、腰が沈む、ふくらはぎで地面を蹴るようにして体を前へ進める。このような走り方は棒高跳びの棒の動きに似ています。斜め前方に突き刺すように着地し、前ではなく上方向に浮いて落ちる。落ちたときに支えるのは前ももで、上下動の大きな走り方です。

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