増税対策で押し上げ 19年度成長率の政府見通し、民間と差

2018/12/18 20:00
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政府は18日、2019年度の経済見通しを閣議了解した。実質国内総生産(GDP)成長率は1.3%増を見込み、18年度見込みの0.9%増から一層高くなる。1%割れを予想する日銀や民間より高水準だ。19年10月の消費増税後も景気拡大が持続するという見通しの背景には、積み増した増税対策の存在がある。

強気の見通しの根拠は個人消費の拡大だ。19年度の個人消費の見通しは前年度比1.2%増。減税策を予定する住宅投資も1.3%増と見据え、内需で成長率を1.4%押し上げる。

民間試算との乖離(かいり)は大きい。日本経済研究センターが18日に発表した民間エコノミスト39人の成長率見通しは19年度の平均が0.68%と政府より0.6ポイント超も低い。個人消費が0.56%と政府の半分程度だ。

富士通総研の米山秀隆主席研究員は政府の見通しについて「目標的な意味合いがある」と指摘する。14年4月の消費増税後は消費が想定以上に低迷。14年度の成長率は政府の当初見通しが1.4%増だったが、実績は0.4%減だ。今回、政府は減速を避けるために大型の増税対策を計画し、成長率見通しを通じて景気腰折れを防ぐ意気込みを示したように映る。

逆に、慎重なのは物価だ。19年度の見通しは消費者物価指数(CPI)の「総合」で1.1%上昇。内閣府が7月に試算した1.5%上昇から下方修正した。消費増税が0.5ポイント押し上げるが、幼児教育の無償化で0.3ポイント下振れると試算。携帯電話の通信料引き下げも加味すると、18年度見込みの1.0%上昇から横ばいだ。

政府は毎年12月に経済見通しを作成し、予算案の税収見通しの前提とする。高めの成長率で実態より多い税収見通しとなれば、財政健全化も一段と遠のきかねない。

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