第一三共、抗がん剤を米社に導出

第一三共は18日、開発中の抗がん剤「DS-6051」について開発・製造・商業化の独占的権利を米製薬アンハート・セラピューティクス(ニューヨーク州)に供与すると発表した。第一三共はがん領域に注力しており、大型化を見込む製品の臨床試験(治験)が本格化している。自社で開発する品目を絞り込み、注力製品に経営資源を集中させる。
第一三共はアンハートから契約一時金を受け取るが、金額は明らかにしていない。開発の進捗や販売後の売り上げに応じた報奨金も受け取る。
DS-6051はがん細胞の増殖に影響する「ROS1融合遺伝子」や「NTRK融合遺伝子」を持つがんを狙う抗がん剤。現在固形がんと神経内分泌腫瘍の患者を対象に日米で第1相臨床試験(治験)を実施中だ。
第一三共はがん治療薬の中でも、抗体に低分子薬を結びつけた抗体薬物複合体(ADC)と白血病治療薬を最重点領域と位置づける。ADCでは次の主力薬候補である「トラスツズマブ・デルクステカン(開発名DS-8201)」の開発が大詰めを迎えている。乳がんについて2019年度前半にも承認を申請する方針のほか、対象疾患を広げる治験も複数走る。注力分野ではない新薬候補は外部に権利を与えることで、限られた経営資源を有効活用する。
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