2019年8月25日(日)

静岡大など 消費電力10分の1 素子の構造を工夫

2018/12/18 13:26
保存
共有
印刷
その他

静岡大学の小野行徳教授らはNTTと北海道大学と共同で、コンピューターが消費する電力を10分の1ほどに抑える技術を開発した。素子の構造を工夫して、電子の抜け穴(正孔)でマイナスの電気を帯びた電子をうまく引き込む。素子が出力する電流を効率良く増幅する。数年後に技術を確立し、実用化を目指す。

成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に掲載された。

シリコン基板上に、電極をT字型に接続した素子を作製した。電子を注入する電極と電子を放出する電極を直線状に並べて、電子を引き込む電極を直角につなげた。新技術では、素子が枝分かれする部分に正孔が次々に生じ、電子が引き寄せられて電流が増幅する。

研究チームは注入する電子のエネルギーや素子の大きさなどを調整し、正孔が狙った場所で効率良く発生する条件を見つけた。シリコンから不純物を取り除き、電子が衝突してエネルギーが失われるのを防いだ。注入した電子は通常、2本の電極から分かれて放出されてしまう。

作製したトランジスタの電流を詳しく解析したところ、電力を供給せず出力を入力の3倍以上に増幅できた。小野教授は「コンピューターに搭載できれば、動作で消費する電力は約10分の1になる」と説明する。

実験ではセ氏零下265度の低温にしてシリコン原子の動きを抑え、電子が衝突しないようにした。100ナノ(ナノは10億分の1)メートルほどの隙間で並べた電極を20ナノメートルほどにすれば、室温で同じ機能を実現できる。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。