5Gにミリ波開放でGDP5650億ドル押し上げ、GSMA調査

2018/12/18 13:59
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日経クロステック

携帯通信事業者の国際業界団体GSMアソシエーション(GSMA)は、ミリ波(数十から数百ギガヘルツ=Hz)を使った次世代通信規格「5G」サービス活用による経済効果を調査したレポートを2018年12月12日発表した。米TMGの協力による。携帯通信用にミリ波帯を開放し、様々な業界に5Gサービスを活用することで、全世界の国内総生産(GDP)を5650億ドル押し上げ、20年から34年にかけて1520億ドルの税収が見込めるようになるとしている。

ミリ波帯を使った5GサービスによるGDPと税収への影響(出所:TMG)

ミリ波帯を使った5GサービスによるGDPと税収への影響(出所:TMG)

5Gサービスの導入により、モビリティーサービスの向上や医療、教育の充実など、様々な効果が期待される。そのためには、高速大容量通信や高信頼性、低遅延性を実現可能なミリ波帯の利用が不可欠となる。レポートでは、19年に開催予定の国際電気通信連合(ITU)主催の世界無線通信会議(WRC-19)でミリ波帯が携帯通信用に十分に確保できるかが課題となるとした上で、ミリ波帯を使用した5Gネットワーク適用による社会への影響を定量的に分析している。

医療分野での遠隔手術や、産業分野での遠隔操作ロボットやドローン、その他のリアルタイム制御が可能なアプリケーションを使ったデジタル化と自動化、自動搬送の実現による公共交通網の効率化など、ミリ波の高速性と低遅延性を生かした5Gによる価値創出は、全体の25%にもなる。それを先導するのがアジア太平洋地域と南北アメリカで、それぞれ2120億ドルと1900億ドルのGDPを稼ぎ出す。欧州は、ミリ波適用によるGDP成長率が最も高く、2.9%に上ると試算されている。

各国の5G向け周波数帯(出所:TMG)

各国の5G向け周波数帯(出所:TMG)

なお、レポートでは、米国で既に開始されている5Gサービスの周波数帯や、日本、韓国、インド、カナダなどで検討されている周波数帯が28GHz帯であるのに対し、WRC-19で焦点となる周波数帯が26GHz、40GHz、66G~71GHz帯になることも指摘している。

(ライター 加藤樹子)

[日経 xTECH 2018年12月17日掲載]

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