2019年8月19日(月)

「1MDB」問題、ゴールドマンは組織としての責任否定
株価は2年ぶり安値

2018/12/18 4:18 (2018/12/18 4:43更新)
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【ニューヨーク=宮本岳則】マレーシア政府系ファンド「1MDB」の汚職問題を巡り、米金融大手ゴールドマン・サックスは組織としての責任を認めない立場を鮮明にした。マレーシア検察当局は17日、証券関連法に違反したとしてゴールドマン子会社を起訴したが、同社は声明でマレーシア前政権のメンバーや1MDB側が「資金使途について虚偽の説明をしていた」と反論した。

ゴールドマン株は17日、一時前週末比3%安まで売り込まれた=AP

米ゴールドマンは今回の起訴内容について「間違っており、断固として闘う」との声明を発表し、マレーシア当局と争う姿勢をはっきりと内外に示した。1MDBを舞台とした資金流用について、東南アジア地域のゴールドマン元幹部が華人実業家ジョー・ロー氏と共謀し、汚職に関わったことは認めているが、組織としての関与は一貫して否定してきた。

1MDBを巡っては米司法省が11月、ゴールドマン元幹部2人を外国公務員への贈賄を禁止する海外腐敗行為防止法違反の罪などで起訴した。ゴールドマンは1MDBが2012~13年に発行した債券を引き受け、約6億ドルの手数料を得た。元幹部は案件獲得のためにファンド運営に深く関与したロー氏に近づき、ファンド資金の流用を手助けした。元幹部の1人は有罪を認めている。

米司法省による11月の起訴内容では、法人としてのゴールドマンは対象に含まれていなかった。マレーシア当局は今回、虚偽の情報開示でマレーシア政府や投資家を欺いたとして、ゴールドマンの元幹部に加え、1MDBの債券発行に関わった同社の英子会社も起訴対象に入れた。

ゴールドマンはマレーシア捜査当局の対応に強く反発している。債券発行については「1MDBの最高経営責任者(CEO)や幹部が、当時のマレーシア首相とやりとりしていた」と指摘。債券を引き受けた際には「(ファンドの運営などに)第三者が関与していないと保証する文書を1MDB側がゴールドマンに提供した」と説明する。ナジブ前首相と近い立場を利用して資金流用を主導したロー氏の動きは、組織として把握していなかったとの主張だ。

ゴールドマンはこれまでも「汚職に関与した元幹部が社内の審査部門に虚偽の説明を繰り返し、不正を見抜けなかった」と説明してきた。事件との関わりが一部で指摘されていたロイド・ブランクファイン前最高経営責任者(CEO)については、過去にロー氏と面会した事実は認めたが、資金流用や汚職は知らなかったとしている。

ゴールドマン株は米司法省による起訴が明らかになって以来、低迷を続けている。17日も一時3%安まで売り込まれ、16年10月以来の安値をつけた。投資家は制裁や罰金による一時的な業績の下振れを懸念する。米モルガン・スタンレーの銀行担当アナリストによるとゴールドマンの営業収入に占めるアジア事業の割合は15%程度で、1MDB問題は同地域での事業成長に「逆風となる」とみていた。

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