2019年8月19日(月)

プーチン政権、地方の不満を警戒 極東知事選で介入鮮明

2018/12/17 17:00
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【モスクワ=小川知世】16日投開票のロシア極東沿海地方の知事選挙で、プーチン大統領が支持するコジェミャコ知事代行が勝利した。政権は与党候補が勝利を決められず無効になった9月の選挙を受け、同氏が提案した人気政策を実現させるなど介入を鮮明にしていた。支持率が低迷するなかで2019年の地方選もにらみ、支持層のつなぎ留めに躍起になっている。

極東沿海地方の知事選で勝利したコジェミャコ知事代行(16日、ウラジオストク)=タス共同

選管の開票速報によると、コジェミャコ氏は62%の票を集め、対立候補3人を大きく引き離した。次点の野党・自由民主党の候補は25%だった。メドベージェフ首相は16日にツイッターでコジェミャコ氏の勝利に祝意を表明した。

今回の知事選は9月の投開票で不正疑惑が発覚し、与党・統一ロシア候補のタラセンコ知事代行(当時)の勝利が無効になり、異例のやり直しが決まった。共産党候補に追い上げられたタラセンコ氏は辞任し、プーチン氏がサハリン州知事だったコジェミャコ氏を新たな知事代行に任命。同氏は与党不信の影響を警戒し、無所属で出馬した。

プーチン政権はコジェミャコ氏に露骨に肩入れしてきた。20人以上が立候補を表明したが、要件に満たないなどの理由で有力な対抗馬が排除され、最終的に出馬したのは4人だけ。政権内野党と目される共産党は候補擁立すら見送った。9月に与党と競った共産党候補は無所属での届け出に追い込まれ、選管は立候補を認めなかった。

コジェミャコ氏が打ち出した政策への支援も強く押し出した。極東で人気がある日本製中古車の規制緩和を承認。投票日直前にはプーチン氏が極東連邦管区の拠点都市をハバロフスクから沿海地方のウラジオストクに移す大統領令に署名した。国営テレビも連日コジェミャコ氏の動静を報じた。

背景には政権の強い危機感がある。受給開始年齢引き上げを柱とする年金改革でプーチン氏の支持率は8割前後から6割台に落ちた。メドベージェフ氏が率いる政府や与党の信任は5割を大きく下回る。9月の選挙では有権者が政権に反対票を投じ、沿海地方以外のハバロフスク地方などでも与党候補が相次いで敗れた。政権のさらなる求心力低下が露呈すればプーチン氏の統治が揺らぎかねない。

今回の知事選ではプーチン氏が推す候補の敗北は回避したものの、経済の停滞に苦しむ地方を中心に不満は根強い。9月の選挙後には10人以上の知事や市長が辞任。政権が不満を抑えるためにすげ替えに動いたとの見方が強い。19年にはサンクトペテルブルクなど複数の地方で首長選挙が予定され、今後の選挙でも政権が関与を強めることが予想される。

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