「スイーツより肉を食べたい!」肉食女子
私たちのリアル(23)

40年ぶりの全然晴れない夏! 東京は雨続きで、「海やプールに行って焼きまくり~!」といった話は全く上がってきませんでしたが、若者は天気が悪いなりにナイトプールや屋内施設を利用して楽しい夏休みを過ごしていました。今回は最近よく話題に出る"アーバンBBQ"と"肉食女子(=肉好き女子)"についてです。
アーバンBBQの人気スポット
今、人気のイベントといえばアーバンBBQ! 昨年あたりから夏にかかわらず学生の定番イベントになっています。手ぶらで参加できるBBQは、コンロ、クーラーボックス、食材まで必要なものは全て用意されているので、車でたくさんの荷物を持参して、準備も大変、終わったら片付けしてゴミを持ち帰って......といった煩わしさもありません。男女混合の仲良し、グループや部活やサークル仲間で事前予約し気軽に利用しています。
学生にとって安定のBBQスポットはお台場界隈。デジキューというBBQプレイスのデックス東京ビーチや、お台場ダイバーシティ東京プラザ、そなエリア東京などが人気。具材持込み制で飲み放題もある低価格のところは学生も利用しやすいようです。その他には豊洲のワイルドマジック、二子玉川の河川敷などいろいろです。BBQ大好きという子たちは「みんなで外でわちゃわちゃ過ごせるのがいいんです!」と、BBQ奉行がいるわけでもなく、作法や流儀は特にない様子。
ただし、「BBQといえばマシュマロ焼き! これだけは欠かせないお決まりごと」というSさんによると、女子たちはマシュマロ焼きをしながら、さりげなく男子のチェックをしているそうです。「テントの下にずっと座って、焼けたお肉や野菜が配られてくるのを待っているだけの勘違い王子様系男子は本当に点数ガタ落ちです」と、アウトドアが得意な男性は今も昔もモテるみたい。手軽なフラッとBBQで、やることが少ないからと気を抜いていると気配り男子に全て持って行かれてしまいますね!


インスタにも"焼肉""ステーキ"
BBQといえば「お肉!」が脳裏をよぎります。前回ご紹介した筋トレ男子たちはもちろんタンパク質摂取のために「肉食べたい!」わけですが、最近は女子の「肉熱!」に勢いを感じます。インスタにも、インスタ映えするスイーツだけでなく"焼肉""牛串""チーズダッカルビ""ステーキ"......かわいい女の子と肉のギャップが受けるようで肉ネタ画像がよくアップされています。
お肉の話を振れば「女子会は必ず焼肉って決めてます!」「チーズダッカルビ食べに新大久保行ったら若い女の子ばかりでした!」「お祭りに行ったら、今はたこ焼きより牛串! 食べやすいし、美味しいから」などなど。コスパの良いステーキ専門店では、お一人様女子をちらほらみかけるのが普通になりました。
肉好き女子の中には「筋トレで引き締まったビクシーBODYを目指したい!」と言ってジムデビューを果たす人も結構います。女子の場合、大学のジムで男子に汗をかいて必死にトレーニングしているところを見られたくないので、地元のジムや周りを気にせずにいられる女性専用ジムに通うパターンが多いそうです。24時間利用できるAnytime Fitnessは学生からも人気。とはいえ、「ジム通いを始めたものの男子のようには続かない」というのが一般女子の現実のようです。
「筋トレ彼氏に勧められたYoutubeのヒップアップ動画を見ながら毎晩就寝前にトレーニングしています」という子もいて、才木玲佳さんのような筋肉アイドルも登場し、じわじわと女子のボディーメイクブームを感じます。


"ダイエット=肉"の時代に
ボディーメイクに肉食イメージは当然ありますが、肉好き女子が増えた背景には"肉"のイメージが、美容やダイエットへ向かっていることもあります。一昔前は、"ダイエット=サラダ"でしたが、健康的なダイエットにタンパク質は大事!ということで"ダイエット=肉"の時代となりました。

「お菓子や炭水化物の代わりに肉!」と言う女子の多いこと。高校生の時から「小腹みたしは、おにぎりよりファミチキ」という筋トレ女子のEさんは「ご飯(お米)の代わりにコンビニのハーブチキンが定番、お肉が無性に食べたくなったら一人でも、いきなりステーキでガッツリ450g食べます」と。
最近の女子が目指す"美しい女性像"は、ただ見た目がキレイなだけではなくなりました。Eさんも「外見内面共に、強くたくましく、のバランスの良い女性になりたい」と、身体的にも精神的にも健康に生きていく姿がかっこいい! 美しいという美意識も生まれています。その象徴は、ただ今公開中の映画「ワンダーウーマン」。さっそく映画を観て「美しく強く、タフでカッコイイ! 映画館で観ただけで、強い女性になるイメトレができる!」と興奮して教えてくれた女子たちはみんな肉好きです(笑)。
近頃、「スイーツより肉を食べたいが本音!」の女子たち曰く「お肉食べよ」は「ラーメン食べよ」と同じ感じで、男女関係なく友達や恋人を誘いやすいフレーズになっています。
ブームプランニング社長。山口県出身。1986年に企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を発足、女子高生ビジネスを立ち上げる。88年、株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、様々な業種で企業の商品開発にかかわる。活動に関係した女子高生は10万人。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』など。
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