浸水想定域に3540万人 河川洪水、20年で世帯24%増

2018/12/17 11:03
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国や都道府県が指定した河川の洪水による浸水想定区域に住んでいる人は、2015年時点で約3540万人に上り、20年前の1995年と比べて4.4%増えたことが、山梨大の秦康範准教授(地域防災)の調査で17日、分かった。世帯数は約1530万世帯で、24.9%と大幅に増えた。

西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市真備町地区(7月)=共同

秦准教授は、郊外を中心に浸水想定区域の人口や世帯が増えたと指摘。要因を「中心市街地は大規模な開発が難しいため、手ごろな価格で土地や住宅を確保できる郊外で開発が進んだ」と分析する。今後の対応としては、既に住んでいる人への啓発や、危険性に応じた土地の利用規制、開発の抑制を挙げた。

浸水想定区域や、市町村が策定するハザードマップは、各機関のウェブサイトなどで公表されている。15年の関東・東北豪雨で鬼怒川が氾濫した茨城県常総市や、西日本豪雨で大規模な被害が出た岡山県倉敷市真備町地区もおおむね想定通りに浸水が起きた。

調査は、11年度時点の浸水想定区域の地図データと、95年から15年まで5年ごとに実施された5回の国勢調査の結果を利用し、人口と世帯数を割り出した。

日本の総人口は10年を境に減少に転じた。一方で浸水想定区域内の人口は95年に約3390万人だったのが05年に約3480万人となり、その後も増加した。世帯数も95年の約1220万世帯が、05年に約1390万世帯と増え続け、20年間で見ると約150万人、約300万世帯の増加となった。

都道府県別に95年と15年を比較すると、30都府県で浸水想定区域の人口が増えた。増加率は、神奈川の17.4%が最大で、東京の15.3%、岡山の12.8%が続いた。世帯数は山形を除く46都道府県で増え、増加率は福岡が最も高い38.4%、次いで東京の38.2%、滋賀の38.1%だった。

秦准教授は「中心市街地は土地取引の流動性が低い。近年は人が住めず、田畑にもならなかった土地が開発された例も少なくない」としている。〔共同〕

洪水の浸水想定区域 国や都道府県は水防法に基づき、指定した河川において、洪水が起きた場合に浸水が予想される区域や、浸水の深さなどを明らかにしている。各市町村もこの予想に基づいてハザードマップを作成し、住民らに公開している。高潮による浸水想定区域もある。津波は津波防災地域づくり法によって、浸水の想定がつくられている。
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