2019年6月19日(水)

仏「財政赤字はGDP比3.2%に」 EUルール違反へ

2018/12/17 7:43
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【パリ=白石透冴】フランスのフィリップ首相は仏メディアのインタビューで、2019年の財政赤字を国内総生産(GDP)比で「3.2%に抑えたい」と語った。従来は2.8%をめざしていたが、仏各地で続くデモを受けた生活支援策で赤字幅が膨らむ。欧州連合(EU)のルールである「3%以内」を破ることになり、EU懐疑派を勢いづかせる可能性がある。

経済紙レゼコーが16日夜にネットに公開した記事の中で語った。

フィリップ氏によると、19年2月に実施する最低賃金の引き上げ、残業で得た収入の非課税などの施策で約100億ユーロ(約1兆2800億円)の政府負担が発生する見通しだ。いずれも蛍光の黄色いベストを着て集まる反政権運動「黄色いベスト」のデモに譲歩して打ち出した生活支援策だ。

歳出を削ったり、法人減税の対象を限ったりすることなどで40億ユーロ程度を確保するが、それでも財政赤字はGDP比3.2%に達するという。デモを受け、仏政府がEUの財政赤字ルールを破る見通しを具体的に語るのは初めて。

フランスの財政赤字はリーマン・ショックがあった08年から16年まで、9年度連続でEU基準を上回っていた。17年就任のマクロン大統領は公約の一つに財政再建を掲げ、17~19年と3年連続でEUルールの財政赤字であるGDP比3%以内を守る見通しだった。

しかし、19年のルール違反がほぼ確実になったことで、EU内での信用や発言力の低下は避けられない。強く主張してきたユーロ圏共通予算などの改革が遅れるおそれがある。

EUに懐疑的な勢力が勢いづく可能性もある。イタリアのコンテ政権はバラマキ色が強い予算を組んでEUと衝突したが、フランスの状況を受けて自国の予算を正当化しようとしている。

一方で、EU加盟国の予算審査を担うモスコビシ欧州委員は仏紙パリジャンのインタビューで「フランスとイタリアを比べたくなる気持ちはわかるが間違っている。2国の状況は違いすぎる」と力説した。

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