5G、中国系を事実上排除 総務省が電波割当指針
総務省の電波監理審議会(総務相の諮問機関)は14日、超高速の次世代無線通信方式「5G」の電波を大手携帯会社に割り当てる指針案を答申した。政府が10日に公表したサイバーセキュリティーの確保を求める調達方針に「留意」するよう明記した。明示はしていないが、華為技術(ファーウェイ)など中国系企業を事実上排除する。

答申を踏まえて総務省は2019年1月をメドに5Gの基地局やネットワーク機器の指針として告示する。携帯事業者は指針に従わなければ事実上、電波の割り当てを受けられないため、実質的な強制力を持つ。実際の5G向けの周波数の割り当ては同3月末ごろを予定している。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天の大手携帯4グループは既に5Gの基地局などに中国系を採用しない方針を決めている。今回、総務省が当局として基準を明確にしたことで、官民が足並みをそろえて5Gのセキュリティーを確保する体制が整う。
通信機器を巡っては、米国が8月に成立した19年度国防権限法(NDAA2019)で政府機関や取引企業にファーウェイの製品を使うのを禁じた。同盟国にも中国の機器のリスク情報を伝えているという。
日本政府は10日、データの外部流出など安全保障上のリスクがある機器を調達しないよう各省庁で申し合わせた。通信回線やサーバー、ソフトウエアなど9項目で19年4月以降の調達分から新ルールを適用する。排除する国や企業を名指しはしていないが、中国系が念頭にあるとみられる。