アステラス、米スタートアップを188億円で買収

2018/12/14 17:30
保存
共有
印刷
その他

アステラス製薬は14日、米バイオスタートアップのポテンザ・セラピューティクスを買収したと発表した。ポテンザは免疫機能を活用したがん治療の技術を持ち、両社は2015年から独占的な共同研究開発の契約を結んでいた。買収額は1億6460万ドル(約188億円)で、今後の開発の進捗状況に応じて最大で2億4010万ドル(約273億円)をポテンザの株主に支払う。

先端医療に関する研究に力を注ぐ(アステラス製薬の研究拠点)

アステラスは15年に共同研究を始めた段階で、ポテンザ買収に関するオプション契約を結んでいた。がん免疫薬の共同開発が順調に進んだため、権利の行使を決めた。

アステラスとポテンザは3種類のがん免疫薬で臨床試験(治験)を実施している。いずれも人間の免疫細胞に働きかけ、がん細胞への攻撃力を高めて治療につなげる効果を見込んでいる。

アステラスの安川健司社長は同日「既存のがん免疫療法で十分な効果が得られなかった患者にとって、新しい選択肢になる可能性がある」とのコメントを発表した。

同社はここ数年、製薬業界としては小規模な買収で新技術を獲得し、新薬を生み出そうとしている。18年度に始まった3カ年の中期経営計画では「革新的技術の獲得」を掲げ、外部技術の取り込みを加速する構えだ。

8月には遺伝子治療を研究する英スタートアップ、キューセラを買収した。無毒化したウイルスを活用し、細胞の再生を促す技術がある。

将来の収益の柱と位置づける細胞医療では2月に買収した米ユニバーサル・セルズと16年買収の米オカタ・セラピューティクスの技術を組み合わせ、白血病やがんなど幅広い領域で抗がん剤を生み出すことを狙う。

米ファイザーなど世界のメガファーマは発売直前の新薬候補を手に入れるための企業買収を繰り返して成長してきた。アステラスの買収は必要な技術だけを取り込み、自社の創薬力を高める戦略だ。買収額が少なくて済む一方で、開発失敗のリスクは高い。技術の良しあしを見極める力が問われることになる。

(桜井豪)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]