ブロックに命宿す レゴ社認定プロビルダー三井淳平さん
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2018/12/15 18:14
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本人の弁によれば、レゴブロックで遊び始めたのは「0歳から」。集めたブロックは300万~400万ピース。三井淳平さん(31)は、日本で唯一「レゴ社認定プロビルダー」の称号を持つ。

レゴ社認定プロビルダー、三井淳平さん=石井理恵撮影

レゴ社認定プロビルダー、三井淳平さん=石井理恵撮影

3歳上の兄と競うようにレゴを組み立ててきた。中学生になり次第にレゴから離れていった兄を横目に、ますます没頭していった。

親からの誕生日プレゼントはいつも新しいブロック。説明書通りに作るのに飽きたらず、インターネットオークションで海外から狙いの部品を探し出してはお小遣いをはたいて買った。

何にそこまで引き付けられたのか。「手軽さと再現性の高さ」という。カクカクしたレゴブロックで再現性? その疑問は作品を見て氷解する。

高校3年の文化祭で披露したのは等身大のドラえもん。東京大在学時は「東大レゴ部」を創設し、40分の1スケールの安田講堂を作って周囲をあっと言わせた。

「日本に高い技術の持ち主がいる」。噂はデンマークのレゴ本社に伝わる。タイで個展を開いた際、本社の担当者に「プロビルダーに興味はないか」と声をかけられた。制作技術などを問う厳しい資格審査を経て、2011年に世界で13人目、日本初となる「プロビルダー」の認定を受けた。

認定後、企業の看板商品やイメージキャラクターの制作の依頼が舞い込むように。12年に大手鉄鋼メーカーに就職したが、レゴ1本で行こうと15年に独立。「三井ブリックスタジオ」を設立した。

「どうせ遊び」と言われることはないですか――、そう問いかけると「遊びかもしれないが、仕事の依頼がなくならないのは僕の作品に需要があるということ」との言葉にプライドがにじみ出る。

「頼まれたものをいかに発注通りに作れるかがプロ」。ここでもこだわるのは再現性だ。「動物だったらどこの筋肉が発達しているのか、建物だったら窓が何枚あるのか」。1作品の資料写真が数百枚になることもある。

ずっと1人だった会社に10月、新入社員が入った。レゴビルダーのMokoさん(30)。ツイッターのフォロワーが2万5千人を超えるその道では有名人だ。レゴ界のドリームチームのような組み合わせだが、その人をして「三井さんは神様のような存在」という。日本でただ1人のプロとしての誇りが、新たな唯一無二の作品を生み出す。

(玉岡宏隆)

レゴ制作に必要な体力を鍛えるためのダンベル

レゴ制作に必要な体力を鍛えるためのダンベル

 ■15キロのダンベル 1つ1つは小さなレゴブロックも、大きな作品になれば持ち上げるのに苦労する程の重さになる。「構造を考えて作らないと、自重に耐えきれず崩れてしまうこともある」という。
2015年に作った高さ約3メートルの「パックマン」はブロック約8万個を使い、重さは約1トン。15キロのダンベルを軽々持ち上げる三井さんに筋トレは趣味かレゴのためかを聞くと、「半分半分、いや、半分以上はレゴのためですね」。
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