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ECBの次はいよいよ日銀、欧米の視点

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、量的緩和の年内終了を確認した。ただし、償還期限を迎えた保有国債の再投資は続ける。

市場の目はECBによる利上げ開始時期に移っている。ドラギ総裁の任期が切れる2019年秋までは利上げせずとの見方が強い。さらに膨張したECB資産の圧縮となれば、開始時期など見当もつかない。

欧米市場の目は日銀に向く。

日本では、日銀の量的・質的緩和の終了など、まだまだ先との見方が圧倒的だ。

しかし欧米市場では、日銀の出口が切迫感をもって語られる。

19年の円相場見通しでも、欧米勢の円高予測が目立つ。

市場では、海外メディアが観測記事を流すと(マーケットは)反応する。日本との温度差を感じる。

日本の視点ではほぼあり得ないことでも、米国市場の開く時間中に観測記事で円高になれば、日本時間でその円高を修正するには、かなりのエネルギーがいる。マーケットでは、しばしば「言ったもの勝ち」である。日銀の立場でも、観測記事に対して火消しに動くことはないし、動けば逆に日銀の焦りと勘繰られる。

株式市場では、25兆円前後とされる日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れ残高の「後始末」が注目されている。

ヘッジファンドの友人たちに招かれて、日本株のレクチャーをするときも、必ず出る質問が「日銀は買った株をいかに処理するのか。塩漬けか」。筆者は「分からない」と肩をすくめ、「ミスタークロダ(黒田日銀総裁)も分からないのでは」と答えている。日本株について下調べして来ている参加者は「日銀のETF買いで、日経平均は4000円ほど上積みされているはず」と語る。「午前中に日経平均が下がると、午後2時ごろ、日銀が買いに入ることが多い」と説明すると「それでは上海市場の『国家隊(中国政府系資金の買い支え)』と同じようなもの」とのつぶやきも聞こえる。

「日本株の魅力は?」とたずねると、「外国人投資家の売買が7割を占めるといわれる市場ゆえ、自分たちで動かせること」と言ってのける。日本人としては、足元を見られている悔しさが募る。

2019年は、日銀金融政策決定会合が、これまでになく海外から注目されそうだ。

すでに最近は、日銀会合の日の日本時間正午から午後1時ごろに深夜の米ニューヨークからチェックが入ることが増えた。何か日銀から重要な発言があれば、深夜でも構わないからたたき起こしてくれ、とまで言われている。昨年までは、ほとんど材料視されなかったので、考えられなかったことだ。

次は日銀――。

欧米市場の視線は熱い。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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