2019年9月23日(月)

カンボジア 野党の政治活動解禁へ EU制裁回避狙い

2018/12/13 18:23
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【ハノイ=大西智也】カンボジア国民議会(下院)は13日、旧最大野党のカンボジア救国党(CNRP)の関係者の活動再開を決めた。今年7月の総選挙では有力野党不在のまま選挙戦が実施され、フン・セン首相が率いるカンボジア人民党(CPP)が議席を独占した。政府の強硬姿勢に対して欧州連合(EU)が経済制裁をちらつかせており、こうした動きを回避する狙いがありそうだ。

上院でも近く関連法案の審議が行われ可決される見通しだ。今回の法案でCNRPの党首だったケム・ソカ氏ら主要幹部が活動再開の対象になるかは不明。フン・セン政権は友好国の中国を後ろ盾にしながら強権的な統治を続けており、法案通過後に旧最大野党指導者に対してどのような対応を取るのかが注目される。

ケム・ソカ氏は2017年9月、国家転覆を企てた容疑で逮捕された。同党に所属していた118人の有力政治家も5年間の政治活動の禁止を命じられ、政党も解散させられた。ケム・ソカ氏は9月に保釈されたが現在も自宅軟禁状態が続いている。

13年の前回選挙ではCNRPが全議席の45%に当たる55議席を獲得。55%の68議席を獲得した人民党にあと一歩のところまで迫った。長期政権を続けるフン・セン政権は危機感を強め、政権批判で知られる地元の有力紙は廃刊に追い込まれた。

米国やEUなどは、独裁色を強めるフン・セン政権への批判を強めている。EUは10月、カンボジアが無税でEUに製品を輸出できる関税優遇特権の撤廃を検討すると表明。カンボジア政府に対して野党の政治参加を早期に認めるよう圧力をかけ続けている。

EUは、カンボジアの国内総生産(GDP)の2割弱を占める衣料品の主要輸出先。制裁が発動された場合にカンボジア経済に与える影響が大きく、フン・セン政権は野党の政治活動の解禁時期を慎重に探っていたもようだ。

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