東北大学=「とんぺー」は こんな大学です!
発信! 理系女子(15)

こんにちは。東北大学サイエンスエンジェルの澁川友菜です。前回は東北大学のある町、仙台をご案内しました。今回は東北大学がどんなところか、ご紹介したいと思います。
とんぺー、イカトンって?
仙台では東北大学のことを「とんぺー」と言います。なぜかというと、「東大」も「北大」も既に他の大学の呼称となってしまっているため、中国語読みでトンペイと呼ぶのが広まった、と先輩から聞きました。由来はともあれ、仙台では東北大はとんぺーという愛称で呼ばれています。
東北大は「研究第一主義」「実学尊重」という理念のとおり真面目な人が多いです。「口ベタ」と言われるとんぺー生ですが、おとなしい人ばかりかというとそうでもなく、部活やサークルに情熱を注いでいる人が多かったり、大学祭で女装コンテストなどの個性的なイベントを開いたり、学食はいつも賑わっていたりと、明るくてアツい雰囲気もあります。
とんぺー生は東北地方出身ばかりかと思いきや、実はいろいろな地域から集まっています。ある年の入学者の出身地の割合は北海道が3.9%、東北が40.6%、関東が31.3%、中部~九州が23.0%、その他が1.2%でした。
また、「イカトン」というのは「いかにもとんぺー生」の略で、部活や研究に一生懸命になるあまり、ファッションなどに気を遣わない人のことを指します。特に理系でチェックシャツが多いという説から、いつもチェックを着ているとイカトンと呼ばれることもあります。一見蔑称のようですが、大学生協でとんぺー生が考案したイカと豚を具にした「イカトン丼」が販売されるなど、なんだかんだ愛されている(?)呼び名です。
留学生とシェアハウス! 「ユニバーシティハウス」

一人暮らしの多いとんぺーは寮も充実しています。私が住んでいるのは「東北大学ユニバーシティハウス」です。ここは国際交流のため、留学生と日本人学生の計8人を1ユニットとして、8人で共同生活を送ります。
ユニバーシティハウスも3種類ほどあり、私の住んでいるところは、1ユニットが8LDKで、シャワーとトイレが3つずつある構成になっています。個室は鍵がかかるので、プライバシーを保ちながら多様な国籍の留学生と交流して暮らすことができます。私は今までに、中国、韓国、モンゴル、スペイン、インドネシアからの留学生と同じユニットになりましたが、母国の料理を作ってもらったり、パーティーをして和気藹々と生活しています。


「浮いた?」「浮いた!」
これは学期末に必ずと言っていいほど交わされる会話です。みなさんの大学では単位を無事取れた時はどのような表現をしますか? とんぺーでは、単位が取得できたことを「浮いた」と表現します。単位を落とすことを「沈んだ」とは言わないし、語源は不明だし、地元の友だちに通じたためしもないのですが、なぜか学生に広く浸透しています。
モットーは「門戸開放」! そもそも門がない?
東北大学は理念として「門戸開放」を掲げています。女性の入学を日本で初めて認めた大学でもあり、国外からも積極的に学生や教員を受けいれています。この門戸開放という理念はとても魅力的なのですが、ほとんどのキャンパスにはそもそも門がありません。そのためか近所の方や保育所の子どもたちが散歩をしていることもあり、こんなにのびのび学べるのはとてもいいことだと思っています。


応援します! 楽天&ベガルタ
スポーツ好きの方はご存知かと思いますが、仙台はサッカーのベガルタ仙台、野球の楽天イーグルスの本拠地です。楽天は仙台駅から歩いて行けますし、ベガルタは仙台駅から地下鉄で16分とアクセスは非常に良いです。楽天は学生限定チケットを販売してくれることがあり、超おトクに試合を楽しむことができます! 写真は先日の交流戦を研究室の同期と観に行ったときのものです。平日の実験・セミナー帰りに集合し、試合で盛り上がってリフレッシュすることができました。
各界で活躍する先輩方

東北大学出身で活躍されている先輩はたくさんいらっしゃいます。
・小田和正さん 東日本大震災の復興に携わる東北大を元気付けるために、2015年に校友歌「緑の丘」を作ってくださいました。
・伊坂幸太郎さん 法学部の卒業生でベストセラー作家です。小説の舞台は仙台が多く、映画を仙台で撮ることがあるのでとても嬉しいです。
・枝野幸男さん 国会議員の枝野さんも法学部の出身です。
・田中耕一さん ノーベル化学賞を受賞された田中さんですが、今でも特別授業に来てくださいます。
・西澤潤一さん 光ファイバーなど光通信の発明者で、「東北大といえば西澤教授」という人も多いのではないでしょうか。
・川島隆太さん 一大ブームとなった「脳トレ」の開発者でもあり、医学研究科の教授でもあります。
出身者ではないですが、かの有名なアインシュタインも東北大を訪れており、仙台を学術都市だと評していたそうです。物理学部志望だった私は、そのときの写真を受験期の携帯の待ち受け画面にしていました。
東北大のイメージは浮かんだでしょうか? 東北と一口に言ってもいろんな地域の出身者がいてとてもバラエティに富んでいます。機会があれば、ぜひ仙台、そして東北大学に遊びに来てください!
次世代の研究者を目指す中高校生に「女性研究者ってかっこいい!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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